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スーパー エンジニアの誕生

CUSTOMER SUCCESS STORY

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Image courtesy of GRAEF.

GRAEFの統合BIMワークフローは、
プロジェクトのスケジュールを数ヶ月短縮し、
スタッフのトレーニングを加速させ、RFIを大幅に削減した。

GRAEF の次世代の「スーパーエンジニア」は、BIM の多くの利点を取り入れ、生産性と顧客満足度を高めると同時に、チームのスキルと知識を高めています。多くの企業が製作のためにプロジェクトの詳細設計を外注している現在、GRAEFはそれとは正反対に、詳細設計の専門知識を社内に導入し、それを実現するためにAutodesk® AEC Collectionの相互運用可能なソフトウェアツールを使用しています。プロジェクトスケジュールを短縮し、RFIを減らし、より高品質なプロジェクトをより早く提供することができるようになりました。

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相互運用可能なワークフローが競争力をもたらす

GRAEF 社は、常にイノベーションの最前線を走り続けています。ウィスコンシン州を拠点に包括的なサービスを提供する同社は、10年以上前に、米国で初めて BIM を導入した構造エンジニアリング企業のひとつです。同社は BIM の導入を、クライアントにユニークなサービスを提供できるチャンスととらえました。このビジネス上の決定は、結果的に功を奏しました。さらに 2 年前にはワークフローを変えることを決定し、これもやはり成功をもたらしました。「当社は常に競争力を高め、利益を上げる方法を探っていますが、それがすべてではありません」とGRAEF 社の社長、Michael Vogel 氏は説明します。「私たちは、社員がやる気になって、持てる力を最大限に発揮できるような機会を提供したいと考えています。そうした機会こそ、チームが意欲を高め、自発的に問題の解決に取り組むモチベーションとなります」

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「GRAEF Accelerate」(GRAEF の加速)と名付けられたこの取り組みは、Autodesk® Revit® Autodesk® Advance Steel® による BIM の統合ワークフローを中核として推進され、さらにスマートなエンジニアリング ソリューションへと続く新しい扉が開かれました。ファブリケーションの詳細設計を外部委託する会社が多いなか、GRAEF 社は逆に詳細設計の専門家を社内に擁し、Autodesk®AEC Collection の相互運用可能なツールを使用して、自社で手がけられる体制を築いています。この戦略によって、すでにさまざまなメリットが同社にもたらされ、競合他社とのさらなる差別化に貢献しています。しかし Vogel 氏が最もすばらしいと感じているのは、この戦略によって人材の成長が加速している点です。

「私が 20 年前に受けたトレーニングよりも、格段に効果的です」と Vogel 氏は話します。「若手エンジニアに接合部設計の 3D モデルを作成させると、彼らは鉄骨構造の接合の仕組みを正確に理解できます。プロジェクトが加速するだけでなく、スタッフの社内教育も加速します」同社はこうした方法で、Vogel 氏が「スーパー エンジニア」と呼ぶ新しいタイプのエンジニアを、短期間のうちに育成しています。施工図を作成しつつ、そこから潜在的な問題点を把握し、修正しながら、問題発生を回避することのできる万能なエンジニアです。「詳細設計を下請業者に依頼すれば一晩で納品されるような環境では、こうした経験は決して得られません。ここで学んだことは、次のプロジェクトで、プロセスの効率や価値を最大限高めるうえで役に立ちます。外部委託すると、こうしたことをすべて理解するチャンスを失ってしまうことになります」

"プロジェクトが加速するだけでなく、スタッフの社内教育も加速します"

— GRAEF 社社長 Michael Vogel 氏

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プロジェクトのスケジュールが短縮

効率性が向上すると、スケジュールに大きな効果がもたらされます。「すべてのプロジェクトで、かなりスケジュールが短縮しました」と Vogel 氏は話します。「どれだけ短縮したかは、各プロジェクトの内容によって異なりますが、1 つの設計を納品する場合は 4 ~ 6 週間、複数の設計パッケージを納品する場合は 3 ヵ月ほど、かつてと比べてスケジュールが短縮しました。これは当社のパートナーにとっては非常に魅力的となります」GRAEF 社の成功の鍵は、コネクテッドなエンジニアリング ワークフローを最大限に活用して、企業全体の生産性を大幅に高めたことにあります。「Revit と Advance Steel のすばらしい連携機能のおかげで、プロジェクトの初期段階から、接合データを構造エンジニアリング モデルに組み込むことが可能になりました」と Vogel 氏は話します。これは、ひとつひとつ順番に作成していく業界の標準的な方法とは異なります。「当社では、各ソフトウェアの特性を最大限に活かし、プロジェクト全体で情報をやり取りしています。同期された情報を使用して 3D 環境で連携して作業する方法は、すばらしく効果的です」

GRAEF 社は、Advance Steel の鋼材詳細設計および Revit モデルとともに Autodesk® BIM360® のコーディネーション ツールも活用し、建築設計者とのコラボレーションに役立てています。「Advance Steel モデルを Revit モデルに重ねて、断面図を建築設計者に送り、コミュニケーションに使用することができます」と Vogel 氏は説明します。さらに設計の進行とともに、このモデルを使用して施工図を自動作成することもでき、作業時間の短縮に役立ちます。その後の施工段階では、ゼネコンがこの高精度モデルの最新バージョンを使用して設備設計を調整・最適化し、コストやスケジュールを予測することもできます。

"大規模な構造用鋼プロジェクトでも、情報提供依頼(RFI)を最低限に抑えることができます"

— GRAEF 社社長 Michael Vogel 氏

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コラボレーションを強化し、品質を改善

この新しいワークフローで、GRAEF 社のエンジニアは品質問題も効率的に解決できるようになったと Vogel 氏は話します。「通常、詳細設計者は分からないことがあれば製造業者に質問します。製造業者はこれについて施工管理者に確認し、施工管理者は建築設計者に確認し、建築設計者は当社に確認する必要があり、これに対する回答が、その逆の順番で返されていくことになります。当社では、この質疑応答の手順はもう必要ありません。後工程の製品に至るまですべての状況を把握するメンバー全員と、緊密に連携しながら一緒に作業を行っているからです。その結果、プロジェクトの最初の段階から構造用鋼の詳細設計に至るまで、大きなメリットがもたらされています」GRAEF 社の社長である Michael Vogel 氏自身も、このメリットを実際に体験しました。「大規模な構造用鋼プロジェクトでも、情報提供依頼(RFI)を最低限に抑えることができます。Advance Steel モデルを Revit モデルに重ねて、断面図を建築設計者に送り、『窓がキッカーと干渉します』と伝えます。こうしたことができるのは、建築設計者にとって大変便利です。問題の箇所を分かりやすいモデルで確認し、直接修正できるのです」この統合されたワークフローでコラボレーションを行えば、手戻りが著しく減り、プロセスが効率的になり、コストの大幅削減につながります。

"この成熟した業界を改革できれば、すごいことです"

—GRAEF 社社長 Michael Vogel 氏

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統合エンジニアリングで未来を築く

GRAEF 社には 60 年の歴史がありますが、それが未来への足かせになったことはありません。同社は、このワークフローが今後数年以内に構造エンジニアリングの標準になると考えています。「業界における詳細設計の作業方法には欠陥があります。1 つのモデルを中心としたアプローチを取り入れると、オーナー、施工業者、建築設計者の全関係者にメリットがもたらされます」と Vogel 氏は話します。「このワークフローを取り入れる道を選べば、関係者全員にメリットがあるだけでなく、結果的にはこれが一番の近道にもなります」同社はこのワークフローを導入するなかで、Autodesk® RobotStructural Analysis Professional® と Revit 間のデータ フローを強化し、「1 つのモデル」を中心とした環境に構造解析のプロセスを完全に組み込む方法を模索しています。これは同社にとっては当然ともいえる、次のステップです。GRAEF 社にとって、BIM を活用して未来を築くことは、競争力強化のためだけではないと Vogel 氏は言います。「私たち全員が 1 つのチームとして、これがいかに特別なことかを理解しています。この成熟した業界を改革できれば、すごいことです。それがエンジニアの問題解決に取り組む意欲を高め、次世代の『スーパー エンジニア』になりたいというモチベーションにつながっています。私たちは、社員がやる気になって、持てる力を最大限に発揮できるような機会を提供したいと考えています。そのような機会は、社員の目を輝かせます。そして私は、彼らの目がこれからもずっと輝き続けることを願っています」

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