BENSON INDUSTRIES 社

Vault を活用したコラボレーション で
プロセスが 50% 高速化し、
エラーが 40% 削減

設計および製造

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柔軟なコラボレーション ツールである Autodesk Vault を使用して、Benson Industries 社はグローバル チームとの連携およびファイル共有を効率化

1926 年、オレゴン州ポートランドに設立された Benson Industries 社は、カスタム カーテンウォールおよびファサード システムの設計、エンジニアリング、製造における世界的リーダーへと成長しました。しかし、ビジネスの拡大とともに、タイムゾーンをまたいだ広範囲のチームとのコラボレーションが必要となり、設計プロセスが複雑化していきました。そこで、Benson Industries 社は、オートデスクの共有ビュー、Fusion Team、Vault などのコラボレーション ツールを採用し、コミュニケーションの課題を克服しました。コラボレーションの合理化を図り、設計プロセスを高速化した結果、製品エラーの 40% 削減、プロセスの 50% 短縮、ドキュメントの不備の 30% 削減、応答時間の 30% 短縮を実現することができました。

4 ワールド トレード センターは LEED 認定ゴールド評価のカスタム ユニット式ガラス製カーテンウォール システムが採用されています。

世界最大級のビルを支える Benson Industries 社

Benson Industries 社は、カスタム カーテンウォールおよび外壁クラッディングの主要メーカーとして、米国およびアジアでビジネスを展開しています。同社がこれまで手掛けた象徴的な建設プロジェクトの中には、ニューヨークの国際連合事務局ビル、サンフランシスコのセールスフォース・タワー、ロサンゼルスのウィルシャー・グランド・ホテル、シンガポールのマリーナベイ・サンズ、ニューヨーク市のグラウンド・ゼロに建てられたワン・ワールド・トレード・センター(フリーダム・タワー)などがあります。

1926 年、オレゴン州ポートランドに設立されて以来、Benson Industries 社はロサンゼルス、ニューヨーク、シンガポール、マニラへと事業を拡大し、メキシコ州オタイー・メサには24時間操業の組立工場を開設しました。Benson Industries 社で Inventor 管理者を務める Radu Stancescu は言います。「私たちは何でもやります。設計、製造、ユニットの組み立て、建物へのユニットの設置など、何でもです。建物に同じものがないように、プロジェクトもそれぞれ異なります」

Benson Industries 社で Inventor 管理者を務める Radu Stancescu 氏

コミュニケーションの壁がビジネスの失敗を招く

世界中に分散した複雑な設計プロセスを合理化するため、Stancescu 氏は製品データ管理に Autodesk Vault、2D モデリングに AutoCAD、そして 3D 機械設計、ドキュメント作成、高度な製品シミュレーションに Inventor を導入しました。

しかし、Benson Industries 社のビジネス拡大に伴い、ゼネコンやサブコン、サプライヤを含む広範な社内外チームとのタイムゾーンをまたいだコラボレーションが増え、コミュニケーションが複雑化していきました。VPN や FTP、電子メール、電話、紙ベースのプロセスではコラボレーションの問題が生じ、それがさらに重大な出荷遅延、設計ミス、品質低下につながったそうです。

「以前は海外のオフィスに電子メールを送り、返信を待つという時間があり、さらに延々と続くメールのスレッドのせいで、質問や回答を見つけるのも大変でした。電子メールでは問題解決に時間がかかりすぎましたし、電話は時差のため非現実的でした。FTP を使ったファイル共有も、ファイルへのアクセス権が付与されていない、サーバーがダウンしたなど、さまざまな制約があってうまくいきませんでした」と、Stancescu 氏。

製品エラーの削減、市場投入までの時間短縮、グローバル事業でのコラボレーションの強化、オートデスク製品への投資価値の最大化のため、Benson Industries 社はオートデスクのコラボレーション ツールを活用することにしました。特に共有ビューと Fusion Team を導入することで、データおよび知識の共有を改善することができ、設計プロセスを合理化できました。

共有ビュー インタフェースに表示されたモデルの例

現代の製造業に適したコラボレーション ツール

共有ビューのおかげで、Benson Industries 社の設計チームはモデルや設計のビジュアル表現を、オンラインで共有できるようになりました。Stancescu 氏によると、これは「完璧なツール」とのことです。顧客とファイルを共有して、承認を得ることもできますし、セールス チームは CAD アプリケーションを使用しなくても、Web 経由で簡単にファイルにアクセスして、客先でのプレゼンテーションに使用できます。

Stancescu 氏は言います。「オフィスと外部チームの間でドキュメントを共有できる共有ビューのおかげで、すべてが解決しました。共有ビューなら、従来の方法よりもずっと迅速なコラボレーション プロセスが実現します。誰がいつ、何を言ったのかはすべて明らかです。どの人たちが関係しているかも正確に把握できます」

共有ビューを使用すると、Benson Industries 社の事業に携わるさまざまなチームがコメントし、マークアップし、スクリーンショットを追加できます。もちろん、印刷や、2D 、堅牢な 3D フォーマットにも対応しています。「特に素晴らしいのは、コンピューター上で 3D ドキュメントを開く必要がないことです。ズームイン、ズームアウト、パン、回転、画面サイズに合わせる、といった操作を行うことができます。必要なものはすべてこのツールに揃っているのです」と、Stancescu 氏。

Fusion Team に表示されたモデル設計の例

共有ビューに加えて、Stancescu 氏は Benson Industries 社が Fusion Team を採用したことについても称賛しました。Fusion Team は、クラウドベースの一元管理されたソースで、プロジェクト データを作成、管理、共有したり、設計をレビューや検討したり、プロジェクト更新を追跡したり、プロジェクトにコメントやマークアップを追加することができます。

「2 つのコラボレーション アプリケーションの違いは、共有ビューでは情報を共有できても、ダウンロードはできないところです。共有ビューはコミュニケーション ツールでしかありません。しかし、Fusion Team なら Vault からの情報を、 Vault にアクセスできない社外の請負業者と共有することもできます」と、Stancescu 氏。

「Vault から Fusion Team に共有されると、ただちに設計チームは数千ものドキュメントにアクセスできるようになります。VPN なら 3 時間はかかっていたことでしょう。もう FTP サイトでドキュメントを共有する必要もありません。何時間も時間を節約できるうえ、Vault からコンピューターにドキュメントが直接共有されるので、正確さも確かです」

Benson Industries 社のシステムのすべてのコンポーネントが、メキシコ州オタイー・メサにある主力の組立工場に集められる

設計の遅れが 50%、製品エラーが 40% 低減

現代の革新的な製造業企業は、製造チームとさまざまな関係者とのコラボレーションを促進することが、品質を効果的に管理し、業績を最大化する鍵となることを理解しています。AutoCAD と Inventor から始まり、Vault、さらには共有ビューおよび Fusion Team へと展開した Benson Industries 社のオートデスクの設計および製造ツールへの投資は、ROI を飛躍的に向上させました。

Stancescu 氏は言います。「AutoCAD での 2D 設計から Inventor での 3D 設計へ切り替えたことは大成功でした。スピード、精度、使いやすさが大幅に向上し、設計の遅れを 50%、製品エラーを 40% 削減することができました。ただ同時に、ドキュメントの共有方法を改善する必要性も感じていました。FTP、電話、電子メールを使った方法に手間取り、ファイルのバージョン管理がうまくいっていなかったからです」

「Vault をすべてのオフィスに実装したところ、トレーサビリティ、安定性、精度が向上して、ドキュメントの紛失が 30% 減りました。共有ビューと Fusion Team も追加したことで、迅速なコミュニケーションが促進され、設計プロセスを10% 高速化することができました」

Benson Industries 社は、アーキテクト、設計者、請負会社、建物のオーナーと連携しながら、分野を越えたアプローチによって、特徴的な建物の設計と建設に必要なパフォーマンス、外観の美しさ、経済的正確さの実現に取り組んでいます。見過ごされがちですが、すべてのチームが最新バージョンのファイルで作業することで、従業員のミス、不良品および手戻りのコスト、クレームなどを削減することができます。次は建築設計と製造間のコミュニケーション向上にフォーカスして、一元管理されたクラウド ワークスペースに投資することになるでしょう。

Stancescu 氏は語ります。「当社の設計プロセスでは、アーキテクトたちが常に情報を共有しています。そのため、Autodesk BIM 360 のような新しいコラボレーション ソリューションに注目しています。これにより、建築や土木のチームと、特に Vault 内のドキュメントなどの情報を、より素早く共有することが可能になります。いまだに電子メール、FTP サイト、電子メールを使用してアーキテクトとやり取りしているので、ここを何とかしなければなりません」

セールスフォース・タワー

「ビジネス上のメリットに見合うもの」

コラボレーション ツールによって、新たな製品の開発や導入プロセスが大幅に改善することが実証されているにもかかわらず、そうしたツールに投資する製造、製品設計、建築業界の企業が増えないのはなぜでしょうか? Stancescu 氏によると、それは、企業が変化を恐れているからだそうです。

「コラボレーション ツールとなると、多くの企業や管理者は一歩前に踏み出すのをためらいます。なぜなら、彼らは自分たちに何が足りないかを理解していないからです。たとえば、当社は AutoCAD を使用していましたが、設計プロセスを改善するために Inventor を導入し、ドキュメント共有を改善するために Vault を導入しました。そして、関係者間のコミュニケーションを改善する必要も生じたので、共有ビューと Fusion Team を加えたのです」と、Stancescu 氏。

さらにこう語ります。「私たちは今、より多くの時間とコストを節約でき、ROI を向上できる BIM 360 Docs に注目しています。コラボレーションを改善したい他社には、変化に適応し、進んでリスクを取ることをお勧めしたいです。それに見合ったビジネス上のメリットが得られるはずだからです。」

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