BRAVIDA
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「本格的な BIM」で
コストと二酸化炭素を削減
CUSTOMER SUCCESS STORY
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Bravida 社は、AEC コレクション、Forge、BIM Collaborate Pro を使用して複雑なプロジェクトに取り組んでいます。Revit に移行したことで、作業の自動化や効率化が可能になり、50% のコスト削減と 53 万トン以上の二酸化炭素排出量削減を実現しました。さらにこうした成果がサステナビリティの目標達成を後押ししています。
Bravida 社は、北欧地域で事業を展開する電気・機械設備のエンジニアリング・施工会社です。100 年にわたって業界をリードしてきた歴史を誇る同社ですが、昔のやり方に固執するようなことはありません。デジタル化を推進し、「本格的な BIM」を導入することで、サステナビリティや生産性、全体的な品質の向上を高めることを決断しました。そして実践後、すぐにさまざまな効果を体験することとなりました。約 170 箇所の拠点に 6 つの部門を展開し、12,000 人以上の従業員を擁する Bravida 社の年間収益は 218 億 7,600 万クローネに上ります。E4 ストックホルム・バイパス・プロジェクトや Facebook データ センターなど、世界的に注目される大プロジェクトの建設環境に、電気・冷暖房・水・換気・セキュリティ システムを設置し、保守サービスを提供しています。
動画を見る:BIM と AEC コレクションで成果を高めた Bravida 社 | オートデスクお客様事例
Bravida 社は、E4 ストックホルム バイパス プロジェクトを手がけるにあたり、オートデスクの AEC コレクションを導入し、デジタル環境に移行しました。そして結果的に、次のような成果を得ることができました。
二酸化炭素排出量を 53 万トン削減:解析によってケーブル ラックを削減。
気候変動に対する懸念が高まるなか、建設業界は世界の温室効果ガスの 39% を占めると言われています。そこで Bravida 社は取り組みを開始しました。同社の目標は、顧客が 2030 年までに二酸化炭素排出量を 55% 削減できるようにサポートすることです。また、自社独自の取り組みとして、2045 年までにバリュー チェーン全体でカーボン ニュートラルを実現するという長期的な目標も設定しています。同社はその目標達成に向けて、デジタル ワークフローやクラウド コラボレーションを導入し、業界のトランスフォーメーションを一歩一歩推進しています。E4 ストックホルム バイパス内の設備工事は、Bravida 社にとって史上最大規模の契約となりました。そしてこのプロジェクトは、デジタル化と BIM を社内に広く導入する上で理想的なパイロット プロジェクトになったと、プロジェクト ディレクターの Mika Sundholm 氏は話します。
「これはまさに業界のゲーム チェンジャーです。BIM を探究し、プラットフォームやオープン API などのテクノロジーを導入することで、業務上のニーズに対応し、生産性と品質を高めることができます」
—Bravida 社 プロジェクト ディレクター/Mika Sundholm 氏
E4 ストックホルム バイパスは、スウェーデンの首都を通る欧州自動車道路(E4)の新設ルートです。バイパスの全長は 21 km で、そのうち 18 km 以上がトンネルとなります。 プロジェクトの詳細については、スウェーデン運輸局の Web サイト「E4 The Stockholm bypass Project」をご確認ください。Bravida 社は、E4 ストックホルム バイパス プロジェクトの設計・施工フェーズに携わり、トンネル内の消火用スプリンクラー、換気システム、電気系統、安全システムの設置を手がけています。Bravida 社の利用可能なリソースを考慮すると、このプロジェクトは難易度の高いものでしたが、Sundholm 氏は時間の節約とデジタル化による効率性向上で乗り切れると考えました。
「これはまさに業界のゲーム チェンジャーです」と Sundholm 氏は話します。「BIM を探究し、プラットフォームやオープン API などのテクノロジーを導入することで、業務上のニーズに対応し、生産性と品質を高めることができます」
Bravida 社は、オートデスクの AEC コレクション(特に Revit、Dynamo、Forge、BIM Collaborate Pro)を使用して、プロジェクトを順調に進めています。「すべてがクラウド上にあります」と、このプロジェクトで BIM/CAD マネージャーを務める Bravida 社の Kristoffer Flygare 氏は話します。「BIM Collaborate Pro では、すべてのプロジェクト データを統合モデルに集約し、一元管理します。プロジェクトのチーム メンバーは、どこからでも場所を問わず、このモデルにリアルタイムでアクセスしながら作業することができます。誰もが必要な情報に自在にアクセスできます。クラウド環境のため、いつでもすぐにコラボレーションできます」そのメリットに気づいた Bravida 社は、Revit の 3D 設計ワークフローを拡張し、コストやスケジュールの情報も組み込んで BIM 5D モデルを作成しました。このモデルにすべての情報を統合し、一元管理することで、デジタルへの投資対効果はさらに高まりました。
5D モデルには、MEP システムの設備やコンポーネントの耐用年数や保守要件などの情報を含めることもできます。こうした情報は、クライアントに幅広い価値を提供する上で役立ちます。Bravida 社は、MEP システムの設置だけでなく、設備のライフサイクル全体を通じた保守サービスも提供しているからです。Forge を使用すると、ロジスティックスなどのさまざまなソースや寸法の情報を 5Dモデルに取り込むことができます。これにより、製品の注文状況や現場への配送日、設置日などの情報を、チームが効果的に確認できるようになります。
「Forge を使い始めて、情報を連携させることがどれほど簡単かを実感しました。現在は、API もとても簡単に使用できます」と Flygare 氏は話します。
AEC コレクションは、繰り返し作業を自動化して生産性を高める上でも役に立ちました。バイパス プロジェクトで特に難易度が高いのはトンネルです。トンネルにはさまざまな勾配があることから、作業が複雑になります。場所によっては深さ 70 m の岩盤や土壌を貫通する必要があるのです。さらに、さまざまな種類の部品を多数、トンネル内部に設置する必要があるため、トンネルの施工はなおさら複雑になります。
「何百台もの無停電電源装置(UPS)、何千個もの照明器具やスプリンクラー ヘッド、長さ数キロにおよぶスプリンクラー配管などを設置する必要があります。そうした莫大な量の設備機器を、トンネル内の必要な場所に正確に設置する必要があるのです。非常に難易度の高い仕事でしたが、自動化によって課題を解決することができました」と Flygare 氏は話します。Revit と Dynamo を使用すると、モデルの一部に加えられた変更が、関連する設計要素に自動的に反映され、設計全体が更新されます。例えば、設備の配置場所を 10 cm ずらすと、影響を受ける設計要素がすべて自動的に更新されます。こうした変更をすべて手作業で行えば数時間かかりますが、自動化によって作業時間を大幅に削減することができました。
「スクリプトに追加するだけで、あっという間に完了です。すべて自動で更新されます。私たちは何もしなくてよいのです。これが Dynamo の素晴らしいところです。この配置変更をすべて手作業でやろうとすれば、多大なリソースが必要になります」と Flygare 氏は話します。E4 ストックホルム バイパスを CAD ベースのプロセスで設計するには、18 人の常勤エンジニアが必要になると Bravida 社は計算しました。しかし Revit と Dynamo を使用したところ、2 人の常勤エンジニアで作業に対応することができ、結果的に 87% のコスト削減につながりました。
「リソースを大幅に削減することができ、変更にすばやく対応できるアジャイルな小規模チームの体制を確立することができました」と Flygare 氏は話します。同社はここで節約できたリソースを、モルンダルの MIMO オフィス ビルの新築プロジェクトやストックホルム地下鉄など、他のプロジェクトのサポートに投入することができました。
「リソースを大幅に削減することができ、変更にすばやく対応できるアジャイルな小規模チームの体制を確立することができました」
—Bravida 社 BIM・CAD コーディネーター/Kristoffer Flygare 氏
Bravida 社のチームは、クラウドベースの BIM を使用したアプローチによって、サステナビリティの成果を高め、クライアントのカーボン フットプリントを削減することができました。E4 ストックホルム バイパス プロジェクトでは、オートデスクの AEC コレクションによって、さまざまな機会を視覚化することができ、サステナビリティの目標達成やコスト削減につながりました。例えば、ケーブル ラックや支持材のサイズを削減できることや、それによって二酸化炭素排出量を 53 万トン削減できることがわかったと Sundholm 氏は話します。
「照明など、さまざまなシステムに対応する幅広い種類のソリューションを、非常にすばやく簡単に検討し、予算に合わせて、最もエネルギー効率が高く、環境に優しいオプションを選ぶことができます」と Flygare 氏は話します。
「照明など、さまざまなシステムに対応する幅広い種類のソリューションを、非常にすばやく簡単に検討し、予算に合わせて、最もエネルギー効率が高く、環境に優しいオプションを選ぶことができます」
—Bravida 社 BIM・CAD コーディネーター/Kristoffer Flygare 氏
E4 ストックホルム バイパス プロジェクトの計画フェーズは完了し、Bravida 社は施工とメンテナンスのフェーズを開始しました。同社は、健康・安全性対策の進行状況や、空調部品の調達・ロジスティックス、設備設置などを標準化し、プロジェクトのライフサイクル全体を通じて追跡するために、施工管理ソフトウェアのAutodesk Build で BIM サービスを拡張しました。同社のチームは、このソリューションに付加価値を見出しました。E4 ストックホルム バイパス プロジェクト以外でも、バックログやサービスの拡大に今後役立つことを期待しています。「情報は、このプロジェクトだけでなく、今後のプロジェクトでも役立ちます。私たちのシステムは柔軟性が高く、変更への対応力に優れています」と Flygare は話します。そして同社は現在、拡張現実(AR)、バーチャル リアリティ(VR)、レーザー スキャン、デジタル ツインなどから取得できる新しい種類のデータを統合することも検討しています。
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