CANAM
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CUSTOMER SUCCESS STORY
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Canam 社は、北米大手の構造用鋼コンポーネントファブリケーターです。建築設計者、エンジニア、製造担当者、施工担当者が協力し合い、適切な調整を行いながら、施工性に優れた設計を実現しています。Autodesk AEC® コレクションの相互運用可能なソフトウェアを詳細設計に導入し、Autodesk® BIM Collaborate Pro®をクラウドベースのコラボレーションに導入することで、エンジニアリングチームに必要な製造・施工プロセスを実現しました。
Image courtesy of Canam
相互運用可能なワークフローを導入し、
より大きな効果を実現
想像してみてください。建築設計者、エンジニア、製造業者、建設業者から構成されるプロジェクト チームが一丸となって設計を最適化し、現場の問題を回避しながら、より持続可能な建物の建設を行えるとしたらどうでしょう。しかもそのすべてが、エンジニアリング設計とファブリケーションに関する詳細データを 1 つのモデルに統合するだけで実現できるとしたら?北米最大の構造用鋼部品の製造業者である Canam 社とって、それは夢の話などではありません。すでに現実の世界となっています。
Canam 社は、統合された BIM エンジニアリング ワークフローを導入し、わずか数年でプロジェクト全体のプロセスを一新することに成功しました。
成功の鍵となったのは、複数の建設関連部門を統合したエンジニアリング チームが、製造プロセスと施行プロセスを包括的に担当する仕組みにしたことにありました。エンジニアと詳細設計者は、Autodesk® AEC Collection の相互運用可能なソフトウェアを基本設計や詳細設計に使用し、Autodesk® BIM 360® Design をクラウドベースのコラボレーションに使用することで、意欲的でありながらも最適化された設計を作成し、後工程における廃棄物を削減し、プロジェクトの確実性を向上することに成功しています。
「かつては 1 週間に 30 件もの問題が現場で発生し、修正件数はプロジェクトの終了時点で 300 件にまで膨れ上がったものです」と Canam 社設計エンジニアの Dominick Paradis 氏は話します。「それが今では、現場で発生する問題はプロジェクト全体で 30 件ほどまでに減少し、問題の修正作業を大幅に削減することができました。これはこのソフトウェアによってもたらされる大きなメリットです」
"問題の修正作業を大幅に削減することができました"
—Dominick Paradis, Design Engineer, Canam
Image courtesy of Canam
Canam 社のプロジェクトでは通常、世界各地の 8拠点から 60 人ものメンバーがコンポーネントの製図に携わります。そのため、コーディネーションは大きな課題となります。そこで Autodesk® Revit® の統合エンジニアリング ワークフローと BIM 360 Design のコーディネーション ツールを導入したところ、エンジニアと詳細設計者の間で適切に調整を行ったうえで、施工性の高い設計を作成できるようになりました。「同じプラットフォームで作業すれば、調整はとても簡単になります」と Paradis 氏は説明します。
「チーム全員の仕事量が減り、作業がシンプルになりました。すべてを紙面上でチェックしなければならなかった 8 ~ 9 年前と比べると、ずいぶん改善されました」データの可視性が高まったことで、干渉箇所を即座に見つけて解決できるようになり、後工程での手戻りが減ったため、結果的に会社全体でかなりの作業時間を削減できました。
Image courtesy of Canam
チーム全員が同期された 1 つの Revit モデルでリアルタイムに作業することで、すべてのものが確実に適合するように調整することができ、費用のかかるエラーを回避することが可能になりました。
「この 3D ソフトウェアでは、干渉箇所やミスを、かつてよりもずっと発見しやすくなりました。これは大きな違いを生みます」と Paradis 氏。「異なるチーム間の調整が、これによって非常に改善されました」
Canam 社のエンジニアは、かつては日常的に現場で生じる問題に直面していましたが、今ではそのような問題はめったに起こりません。そのため以前のプロジェクトと比べてかなりの時間を節約できるようになりました。プロジェクトの効率性が飛躍的に向上し、解放された時間をより優れたエンジニアリング ソリューションの追求にあてることが可能になりました。
こうした新しいビジネス手法は、将来的にクライアントの注目を集める強みとなります。昨今では、建設プロジェクトの最後に施工モデルの提供を求めるクライアントが増加しています。そんな中、Canam 社の統合されたワークフローは、さらに多くのビジネスを勝ち取るうえでの競合力となっています。「建物の建設過程の情報がすべて含まれる3D モデルを求めるお客様は、ますます増えています」と Paradis 氏は話します。「現代の 3D モデルには全情報が含まれているため、お客様はこのモデルがあれば大量の PDF から必要な情報を探し出す必要がありません」
"干渉箇所やミスを、かつてよりもずっと発見しやすくなりました"
—Dominick Paradis, Design Engineer, Canam
Image courtesy of Canam
統合ワークフローのアプローチは、効率性の向上やコラボレーションの円滑化といったメリットを Canam 社の日々の業務にもたらしただけでなく、同社を新しい挑戦へと導く原動力ともなっています。
この手法に確かな手ごたえを感じた同社は、今後の設計プロジェクトではさらなる高みを目指し、新たな挑戦をしたいと考えています。かつてはプロジェクトやファブリケーション、現場でのエラー発生を回避するために、安全策を取る必要がありました。しかしもう、そのような心配は必要ありません。Canam 社は、同社が手がける建設関連製品すべての BIM モデルを作成することに取り組んでいます。そして鋼製デッキ、Hambro の梁、軽量形鋼の鋼製スタッド壁システムといった多数の建設関連製品のエンジニアリングを Revit で行っています。Revit モデルに含まれる詳細データは、どのプロジェクトにも最大限の柔軟性をもたらします。
「以前はミスを回避するために、標準化作業を大量に行い、すべてを類似化しようとしていました。しかし 3D モデルのおかげで、全部均一にする必要はなくなりました。接合方法をすべて別々の仕様にすることもできます」と Paradis 氏は話します。「プロジェクト終了時に問題が発生しないか心配する必要もありません。事前に問題を見つけ出して回避することができますから。私たちはすべてを最適化する自由を手に入れました」最適なソリューションを自由自在に柔軟な方法で設計し、効率よく提供できる能力は、市場においてCanam 社を他社と大きく差別化する要因となっています。この強みをさらに伸ばしていこうと考える
のは当然のことでしょう。
"私たちはすべてを最適化する自由を手に入れました"
—Dominick Paradis, Design Engineer, Canam