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BIM/CIM を用いて本社敷地内のトラム線路を設計した Huawei 社

導入事例

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広東省東莞市に移転した Huawei Terminal 社の新本社の敷地は約 12 km²にもおよび、およそ 13 km にわたる新しいトラムが敷地内を走っています。

この移転プロジェクトには、放水路や貯水槽、橋、山の配置を考慮した調整が伴いました。Huawei Terminal 社の松山湖基地は、世界中の人々に愛されるヨーロッパの古都を再現した 12 の区画から成ります。クラシカルな街並みの基地には、グループ建設の技法が用いられました。ランドマークとなる建物や中央広場、庭園、複合建築物は周辺の自然にマッチしており、互いにつながり、調和しながら「全体性」というアート コンセプトを表現しています。

プロジェクトの報告はすべて BIM/CIM プラットフォーム上で直接行われたため、モデリング担当スタッフの工程を省き、労働力と資源の無駄を 50% 近く削減することに成功しました。 

新本社の概念図

InfraWorks で作成した Huawei Terminal 社の松山湖基地全景の概念図

プロジェクトの目標

  • 美しく、環境に配慮したスマートな基地を建設する。
  • ビジュアライゼーション、プレゼンテーション、コミュニケーションの新たな手法を提供する。
  • 現実に即したバーチャル環境で設計することにより、質を向上させる。
  • さまざまな関係者の設計を統合する。
  • BIM/CIM を情報システムやクラウドと連携させることで、施工管理や品質、安全性向上に活用する。

プロジェクト固有の課題

本プロジェクトは、既存の放水路や貯水槽、橋、山の配置を考慮した調整が求められます。こうしたすべての要素が、敷地内に建設中のトラムのプロジェクトと統合されます。施主からは、橋のモデリングや沿線の景観に対して厳しい要件が課されています。従来の図形を用いた設計やビジュアライゼーションで、施主とのやり取りを行わなずにいては、こうした設計要件を満たすことはできませんでした。最終的にチームは、BIM/CIM を採用し、施主に直接報告することに決めたのです。

概要ビデオを見る ( 英語 ) >

 

設計ワークフローを統合するための選択

精度の高い映像を撮影し、現場での作業時間を節約するために、高性能の無人航空機(UAV)が使用されました。チームは設計のさまざまな段階で UAV を活用し、地形モデルや点群モデル、3D モデルを作成しました。

UAV に関するビデオを見る >

設計チームは、GIS データを InfraWorks に統合して現地のシミュレーションを行いました。これは、経路設計の基礎データとして用いられます。次に、Civil 3D を使って詳細な経路設計や、水平・垂直プロパティ、断面図を作成し、その後、経路設計を InfraWorks に書き出してレビューと最適化を行いました。予備設計の段階で、山を貫通するトラムの経路は非経済的で困難なうえに、緑の植生が破壊されてしまうことが判明したため、全面的に見直されました。Civil 3DInfraWorks を統合することで、設計の精度と信頼性を向上することができました。

サブアセンブリ コンポーザーを使えば、断面図に加えて、バラスト道床や側壁勾配、側溝、洪水処理排水路、洪水処理排水区域に沿った避難経路をモデリングすることができます。さらに、鉄筋の作図には Revit を、鉄道網の設計には Inventor を使用しました。それぞれの設計要素に、他の設計システム上のデータを有効活用することができたため、設計ワークフローがより効率的になりました。

設計に関するビデオを見る >

BIM/CIM と GIS の統合

鉄道、ランドスケープ、橋、建築物、排水施設、電気系統、GIS などを手掛ける大規模で複雑な設計グループにおいて、チームは株式会社日建設計をはじめとする国際的な設計会社の設計を統合する必要がありました。InfraWorks によって BIM/CIM と GIS がシームレスに統合され、チームが GIS をベースに設計し、作成したモデルをワークグループのメンバーに共有することが可能になりました。これにより、コミュニケーションと意思決定が改善されました。

InfraWorksBIM 360 を使うことで、チームはプロジェクトの情報をいつでもどこでも確認でき、プロジェクトの質と意思決定を最適化することに成功しました。情報が 1 箇所に集約されており、リアルタイムで更新される最新の情報と統合モデルにアクセスできるため、業務の信頼性と効率性が約 30% 改善されました。

シミュレーションと解析による設計の最適化

敷地内の交通量と待ち時間を交通シミュレーション機能によって解析し、必要な道路の交通容量を割り出しました。モビリティ シミュレーションによって、渋滞が発生している地点を特定したことで、設計者は道路ネットワーク設定を最適化し、渋滞を解消することができました。

施工現場からのフィードバックによると、複雑な接合部の建設においては、鉄筋同士の衝突が発生したこともあったそうです。しかし、チームは 3D レーザー スキャン技術を使って配置した鉄筋のデータを収集し、既存の鉄筋のデータをモデルに反映しました。これにより設計部門と施工部門が協調して問題の解決にあたることが可能になり、結果として作業の円滑化と品質の向上につながりました。

シミュレーションと解析に関するビデオを見る >

バーチャル リアリティによる臨場感あふれる体験の提供

施工現場とその周辺環境を映した VR により、設計の詳細や、日中と夜間の生活の雰囲気、さらには天候や季節の移り変わりによる影響などを体験できるようになりました。さらに VR と BIM/CIM を組み合わせることで、顧客に設計を実際に体験してもらうことも、設計者やユーザーが設計を検証して最適化し、関係者間のコラボレーションの質を高めることもできました。

VR を用いてトラムを視覚的に解析

風景画像は BIM/CIM モデルと UAV モデルを使って InfraWorks でレンダリングしたものです。

ワークフローで使用されたソフトウェア

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Architecture, Engineering & Construction Collection(AEC コレクション)があれば、建築設計、土木インフラ、建設・施工向けの統合ツールセットとパワフルなワークフローを利用できるようになるため、さらなる生産性の向上が期待できます。

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