KALITTA MOTORSPORTS
KALITTA MOTORSPORTS
設計・製造
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Kalitta Motorsports 社のドラッグ レース チームは、世界大会では何度も勝利を獲得しています。そして同社は優れた製品設計と製造能力の強化を通じてチームをサポートしています。 2015 年以来、同社のチームはオートデスクと緊密に提携してきました。最近では、ノースカロライナ州シャーロットの zMax Dragway で開催されたイベント「DeWalt NHRA Carolina Nationals」で、オートデスクが Shawn Langdon 氏の 11,000 馬力のトップフューエル ドラッグスターの主要スポンサーとなりました。Kalitta Motorsports 社の CNC、シャーシ、製造工場では、オートデスク ソリューションを使用して、レーシング チーム用の 1,000 以上の部品が設計・製造されています。Kalitta 社はオートデスクのテクノロジーを活用することで、設計・製造にかかる時間やリソースを適切に管理し、全体的なオペレーションを最適化することができました。
ピット エリアで走行前のウォーム アップ。画像提供:Kalitta Motorsports
Kalitta 社は、Autodesk Product Design & Manufacturing Collection を使用しています。Autodesk Inventor でクラッチ アセンブリを設計し、最高クラスのオートデスク CAM 加工ソリューションで製造を行います。 「アダプティブ」ツール パスを使用すると、重くて低速な切削の代わりに、軽量、高速かつ一貫した加工ストラテジーを生成して広く適用することができます。その結果、工具の寿命が延び、パフォーマンスが向上し、主なクラッチ コンポーネントの加工時間が 30 時間から 10 時間へと短縮しました。
「当社は部品の製造・設計プログラム全体を、オートデスクのテクノロジーで構築しました」と、Kalitta Motorsports 社のジェネラル マネージャーを務める Chad Head 氏は話します。「2015 年にクラッチ アセンブリの加工を開始し、今ではクラッチ アセンブリやシリンダー ヘッドなど、数多くの部品加工を手がけるようになりました。結果的に、コストを大幅に削減でき、効率が一段と向上しました。オートデスクのソフトウェアは、大きな変革を当社にもたらしました。そして今では、Kalitta Motorsports 社と Kalitta Air 社の成功に欠かせない要素となっています」
オートデスクとの提携を開始した当初、Kalitta Motorsports 社の重要な目標は、レース チームをデジタル化することでした。そしてそこから、レース カーのデジタル ツインを作成するに至りました。
「自動車業界の複雑な業務にテクノロジーを活用することで、アセンブリの安全性、信頼性、パフォーマンスを向上できることが、Kalitta Motorsports 社との提携で明らかになりました」と、オートデスクの製品開発・製造ソリューション エグゼクティブ バイス プレジデントを務めるスコット・リースは話します。 「Kalitta 社は、オートデスクのソフトウェアを使用して高性能なレーシング コンポーネントのデジタル ツインを作成しています。Kalitta 社がデータをキャプチャしてモデル化し、そのデータから迅速にインサイトを分析し、優れた成果を達成できるように、私たちオートデスクがサポートします。Kalitta 社のビジネス リーダーたちと仕事できることは光栄です。レース場やそれ以外の現場で、パフォーマンス向上のお手伝いをします」
ステージング レーン エリアで予選走行に備える。画像提供:Kalitta Motorsports
Kalitta 社は、レース カーのデジタル ツインを使用して、数多くのシミュレーションを実行できます。貴重なリソースを投じて実際に変更を行う前に、シミュレーションによって最適なソリューションを特定できます。そして Kalitta 社は、Product Design & Manufacturing Collection を導入したことで、こうした変更を社内で簡単に行えるようになりました。また、シャーシ製造や CNC 加工の対応能力を拡大し、自社製の部品(カーボン ファイバーのボディやチーム用の安全製品など)を製造できるようになりました。
同社の当初の目標は、シャーシの治具を製造し、ドラッグ レース用のドラッグスターやファニー カーを完全に自社で製造することでした。Kalitta 社は、パフォーマンスの観点からクラッチ アセンブリに重点を置いて開発を行っています。クラッチ アセンブリは車両のパフォーマンスに不可欠で、常に進化し続けているコンポーネントだからです。車両工場で、クラッチ アセンブリのチタン部品を加工することから作業は始まります。これらのコンポーネントは 1 つ 45 キロ近くの重量があり、直径は 35 センチほどもあります。部品加工で正確な許容差を確保することは、クラッチの全体的なパフォーマンスを維持する上でも、レース場でわずかな差を競う過酷なレースを戦うためにも、非常に重要です。
「当社は 2015 年にクラッチ アセンブリの加工を開始し、今ではクラッチ アセンブリやシリンダー ヘッドなど、さらに幅広い部品加工を手がけるようになりました。結果的に、コストを大幅に削減でき、効率が一段と向上しました。オートデスクのソフトウェアは、大きな変革を当社にもたらしました。そして今では、Kalitta Motorsports 社と Kalitta Air 社の成功に欠かせない要素となっています」
— Kalitta Motorsports 社、ジェネラル マネージャー、Chad Head 氏
レース当日に向けた予選走行。画像提供:Kalitta Motorsports
Kalitta 社は、全体的なオペレーションを改善し、会社のデジタル化をさらに進め、DX 戦略を拡大して本格的なデジタル ツインの開発に乗り出しました。そしてそれに伴い、同社のチームは自社製シリンダー ヘッドの設計と製造に着手しました。同社は、設計を社内で手がけることでコスト削減を実現し、レース シーズン中のパフォーマンスと信頼性を高めることに成功しました。また、オートデスクのソリューションを使用して既に作成した 1,000 個以上の部品(Kalitta Air 社の多数の航空部品を含む)に加えて、さらに強力なラインナップをポートフォリオに追加することができました。
シリンダー ヘッドの設計は元々、SolidWorks で作成されたものでした。そして機械加工ツールパスを Autodesk Inventor CAM で作成しました。Kalitta 社は Autodesk AnyCAD テクノロジーを利用することで、SolidWorks のシリンダー ヘッド モデルを簡単に参照し、Inventor CAM でツールパスを作成することができました。SolidWorks のモデルが変更された場合、Autodesk AnyCAD テクノロジーが変更を認識します。そしてモデルが最新バージョンに更新され、Inventor CAM で作成されたツールパスも更新されます。
Kalitta 社は、プロセスの効率をさらに高めるために、シリンダー ヘッド設計のデジタル ツインを、他のファイルと同じように Autodesk プラットフォーム上に配置することを決めました。 そしてこれは、同社にとって最初の課題となりました。レース チームが Autodesk Inventor でシリンダー ヘッドモデルをゼロから作り直すためには、多大な時間を要します。そして限られた時間の中でKalitta 社のチームは、ITI の GoToINVENTOR フィーチャベース変換テクノロジーを活用して、元の SolidWorks ファイルを取り込み、各フィーチャとスケッチを Autodesk Inventor の部品ファイルへと変換しました。
Kalitta 社のチームは結果的に、作業時間を 80 時間以上も短縮することに成功しました。Kalitta 社は今後、デジタル ツインのデータをさらに活用し、車両工場とレース場の作業効率化を進めることを予定しています。