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ブラッド・サラ氏 (Warren and Mahoneyプリンシパル、デジタルサービスリード): クライストチャーチはニュージーランド南島最大の都市です。2011年2月、地震がこの街を襲い、40秒のうちに35万人の生活を一変させました。
フィオナ・ショート氏 (Warren and Mahoneyプリンシパル、サステナビリティリード): 震源地が街に近く地表から浅かったため、まるで家を2メートル持ち上げて落としたような衝撃だったと聞きました。
サラ氏: クライストチャーチ大聖堂は、昔も今もクライストチャーチの人々の拠り所です。大きな被害を受け、壁は完全に崩壊し、誰も中に入ることはできませんでした。
ファーレ・ティム氏 (Warren and Mahoneyプリンシパル、カルチャルデザインリード): この大聖堂は、クライストチャーチの人々にとっても、タンガタ・フェヌアや地元のイウィにとっても、大きな意味を持っています。震災前は、建造環境に先住民の存在感はあまりありませんでした。地震後、それはクライストチャーチの人々だけでなく、この地域の先住民族との真のパートナーシップによる再建の機会ともなったのです。
サラ氏: こなすべき仕事の量や連携について考慮し、クラウドベースで3Dモデリングを扱う会社となる必要があると考えました。それで私たちは オートデスクのRevitへと移行する決断を下したのです。
ショート氏: 大聖堂プロジェクトにおける最大の課題のひとつは、それと認識できる姿を保ちつつ、レジリエンス性も持たせることにありました。オーセンティックな材料を使用することは非常に重要でしたが、同時に、今後100年に向けてそれらをレジリエンス性の高井ものにする方法を見つける必要もあったのです。
サラ氏: 設計の第一段階は、安定化のフェーズを設け、大聖堂再建に必要な詳細を理解するために建物の中に入れるようにすることでした。人間を立ち入らせることは不可能だったので、ロボット犬「スポット」を登場させました。レーザーによる点群スキャンやドローン映像を何枚も撮影し、それをコラボレーティブなクラウド環境に持ち帰りつなぎ合わせ、設計チームと共有することで、設計を成功させるのに必要な重要な意思決定を行いました。
ショート氏: 綿密な3Dスキャンのおかげで、解体後に石を本来あるべき場所に戻して再度補強できただけでなく、ステンドグラスのバラ窓を再建するといった素晴らしい瞬間ももたらしました。
ティム氏: 大聖堂は広場の正面にあります。この広場は、先住民のコミュニティが歓迎の儀式を行うことのできる場所として使用できるような「開けた」空間とみなされています。芸術家たちと協力し、舗装の使い方に工夫が凝らされています。これが公開され、空間デザインに彼らの存在が反映されているのを目にすることができれば、多くの先住民コミュニティは実際にそのスペースを利用するようになるでしょう。Warren and Mahoneyのほか、Snøhettaが設計を、Holmes Consultingが構造工学を、Powell Fenwickがサービス工学をそれぞれ担当しました。その後、設計が進むにつれて、施工会社Naylor Loveを迎え入れました。クラウドベースのプラットフォーム上で作業しているので、連携するパートナー各社とデータを共有し、意思決定が行えます。
ショート氏: 全員がそれぞれの得意分野でプロジェクトに貢献できることは、本当に、本当に重要です。オートデスクのFormaやRevitのようなクラウドベースのデジタルプラットフォームを使用すれば、設計者であれ、クライアントであれ、コミュニティであれ、最大限のコラボレーションが可能になります。
サラ氏: 当社は多くのプロジェクトでFormaを積極的に活用しています。そのおかげで、早期にデザインを検討し、プロジェクトの早い段階で重要な決定の影響を理解することができます。Warren and Mahoneyのデジタル変革は当社の成長を大きく支えています。これにより、国際的に事業を拡大し、革新的な方法でプロジェクトに取り組み、以前は理解不能であったようなものをクライアントに提供できるようになりました。
ショート氏: 今日のテクノロジー使用手法は、設計のより多くの部分について、より簡単かつサステナブルな決定を下すことを可能にしています。
サラ氏: 私たちが下した決断のすべて、私たちが収集した情報のすべてが、クライストチャーチの将来計画に活かされることを、私は願っています。それは、個々のプロジェクトを成功させることにとどまらず、新たな都市を成功させることにつながるのです。