ジョー・スパイカー (オートデスク最高サステナビリティ責任者) : 我々は何百年もの間、建造環境を構築し、必要な商品を製造するプロセスを構築してきましたが、そうしたプロセスは膨大な温室効果ガスを排出しています。でもその環境からは 多くの価値も得られているのです。それは 我々が住む住宅、学ぶ学校であり、移動に使う車でもあります。経済的な価値もあれば、無形の価値もあります。これらを諦めようとは、誰も思いません。私たちは、何百年もの進歩のプロセスの脱炭素化を進めているのです。
2024年度版「デザインと創造の業界動向調査」での説得力ある統計として、今後のビジネスの成功には持続可能性が不可欠だとビジネスリーダーの78%が考え、71%は過去3年間に持続可能性イニシアチブへの投資を増やし、76%が今後3年間に投資を増やす予定だと指摘している点が挙げられます。
オートデスクは、顧客がより持続可能なプロジェクトを実現できるような価値を提供する上で、非常に有利なポジションにいます。その理由は、インダストリークラウドプラットフォームへの移行です。また、プロジェクトデリバリーの全フェーズへの拡大もそうです。適切なデータを任意のプロジェクトに関連付ける相互運用性を実現するインダストリークラウドプラットフォームの構築により、そのデータを活用し、損失がないようデータフローを全ワークフローに拡大し、求める成果に応じて最適化できます。
それこそが、皆が実現を目指すところです。持続不可能な建物を設計しようなどと考える人はいません。プロジェクトの納品に努めているだけですが、適切なプロセスとワークフローがなければ、その実行は非常に困難です。
サステナビリティは、根本的にデータの問題です。それは我々の関連する市場において、本質的にはローカルデータの問題です。リヤドのサステナブルな建物は、レイキャビクのそれとは異なります。あらゆる場所でインプットは全く異なっており、だからこそローカルデータの問題なのです。その場所のサプライチェーン、部品表を理解する必要があります。そして、現地の送配電網の構成を知る必要があるのです。
生成AIツールやAIを活用できれば、ある製品に含まれる特定の材料の炭素係数や建物のエネルギー効率に関するデータの課題を解決できます。それを、どう最適化すれば良いのでしょうか? そのすべてをライフサイクル全体で結び付け、データを相互運用可能な状態にすることで、顧客がより良いプロジェクト、より持続可能なプロジェクトを実現できるよう支援できるのです。