カスタム義手のデザインで自己実現を果たす元消防士の人生

耐久性が高く快適で、低価格なカスタム義手が存在していないことを理解したブレーデン・レナード氏は、それを自らで設計することを決意。新たなキャリアの道へ進み始めることになりました。

Autodesk Video

2019年1月9日

 

ブレーデン・レナード氏はマウンテンバイクの事故により手を失い、消防士としてのキャリアとバイクへ乗る機会を失うことになった。そのアクティブなライフスタイルにマッチするカスタム義手を探し始めた彼は、そのどれもが壊れてしまうことから、自らデザインすることを決意する。このビデオでは、メーカーから起業家へと転身を果たした、彼の人生の旅を紹介。必要から生まれたものが、第二のキャリアへとつながった。

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Braden Leonard, Make & Designer: 私はブレーデン・レナード。ジョンソン消防署の元消防士です。

マウンテンバイクで走行中、岩の間に前輪が挟まれ、ハンドルを超えて気にぶつかり、右拳に深い刺創ができました。

“珍しい感染で地元の消防士が危うく命を落とすところでした”

身体が動かなくなり、ひどい感染をしていました。医療行為によって昏睡に陥り、一週間後に目覚めましたが、助かるには手を失わざるをえませんでした。

その後、義手を試すプロセスを始めました。どの義手に落ち着くにしても、意味のあるテストになると思いました。マウンテンバイクに乗るために。

義手探しを始めると、失望することになりました。入手できるものは耐久性に欠けており、高価でした。活動的にいるには機械式が適していると言われましたが、それらは壊してしまいました。

Taylor Tobin, Senior Shop Supervisor, Autodesk Technology Center, Boston: 義手の設計にはさまざまな困難があります。頑丈かつ軽量で、エルゴノミックでなくてはなりません。

Paul Sohi, Fusion 360 Evangelist, Autodesk: それに、相手は最も難しいクライアントです。人間の身体というね。

Leonard: オートデスクのBUILD Spaceで、高性能な上腕義手システムの開発を行っています。これまで何かを3次元で設計した経験はありません。私にとって、最高のコンポーネントを作ることは本当に重要なことです。頑丈で、乱暴な使い方にも耐えて、低価格で、誰でも手に入れられることが大切です。初めて使った3次元設計ツールはTinkercadで、3次元で作業する感覚をつかむことができました。

Tobin: オートデスクには多くのソフトウェア プラットフォームがあり、その大半はデジタル モデリング プログラムです。そこにはCAM機能も統合されています。CAMとはコンピューター エイデッド マニュファクチャリングまたはマシニングの略です。3Dスキャンとそのデータからモデリングの機能を使うだけでなく、多数の3/5軸マシンを使って、実際に義手機構の連結部品を作っています。

Sohi: マシンは簡単に扱え、設定も非常に簡単になっており、ツールのアクセスや利用もとても容易です。こうしたことの積み重ねにより開発を素早く、高品質で行えます。こうしたツールが優れた製品の作り方の探究や理解に本当に役立ちます。画面上で自由に作業でき、それを必ずしも現実に置き換える必要はありません。

Leonard: デザイナーとユーザーが、つながっています。デザインの部分では、共感が欠けている場合もあると思います。でも自分が個人的に使うものを作っているなら、それはより良いものになります。

Sohi: 義肢のスタートアップ企業の多くは必然性から生まれています。

Tobin: ブレーデンは消防の仕事とバイクの運転をしたいので、それを満たす耐久性を持つものを作るには高いレベルの精度とエンジニアリングが要求されます。

Leonard: パートナーであるマイク・ナネリーズの医療行為を通じて、他の人のための義肢のデザインを始めました。彼は、誰かが必要とするソリューションを見つけられない状況に出くわすことが多いのです。こうした行動の報酬は、誰かがバイクに乗って興奮したり、誰かが行動的になるのを助けられるようなものを作れたりするということだと思います。本当に自己表現ができていると感じます。マウンテンバイクに飛び乗って、山を駆け下りられるんですから。それはオートバイでも同じで、本当に素晴らしい気分です。最高のやりがいだと思います。

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