村田 誉之氏 (大和ハウス工業 代表取締役副社長): ベテラン社員というのは、なかなかBIMの価値がわからないものですから、うまく馴染んでくれるかな?と思ったんですけれども、思いのほか、皆が自ら進んでBIMの採用に取り組んでくれましたので、これは嬉しい誤算でした。
宮内 尊彰氏 (同社 東京本社 技術統括本部 建設DX推進部次長): BIMをやってきてよく分かったことは、建設の中でまだまだデジタル情報があって、それをBIMと足し合わせると、さまざまな可能性がある。
河野 宏氏 (同社 上席執行役員 技術統括本部副本部長): BIMという武器で、データをつなぐところ、あるいはデータを使うところに注力していく。
村田氏: 1955年に創立した会社でありまして、まだ若い会社ですね。
河野氏: 大和ハウスっていうのは、チャレンジング精神が非常にある会社だと思っています。
宮内氏: デベでもあり、住宅でもあり、建築でもあり、さらにはホテルとか、さまざまな生活産業としてやっております。
村田氏: 建設関連の企業はたくさんありますけれども、その中で毎年成長を重ねているというのは大変珍しいと思うんですね。
宮内氏: 当社がBIMを始めたきっかけは、2055年に10兆円を目指すためには技術基盤を作らなければいけないということで、BIMを導入したのが最初でした。
何個かの壁があったと思っています。最初は業務プロセスに、どうやってBIMを適用するか。当初はBIMをやってほしいということから始めたんですけれども、なかなか浸透せず、逆にプロセスに合わせたBIMをやろうと。
大和ハウスとオートデスクは、2017年からBIMを始めて、2社間でファミリーという言葉を使ってきました。
村田氏: 最新の先進的な事例を紹介していただきながら、一番最短で、一番最速で、ミスのない進化を大和ハウスでやっていきたいと思いますので、そのためのパートナーシップであろうと思います。
宮内氏: 初期にありましたのは設計図書の不整合をなくすっていうところが最初にあったことだと思いますし、その後BIMならではの図面を作成するということで業務効率を上げてきたということもあったと思います。
河野氏: いまもう2024年ですけれども、5年半、大きな投資をいただいて、やっています。そこで早く、大きな成果を挙げていかなければいけないと思っています。
村田氏: ひとつは、BIMっていうのは、すごく格好良いものですよね。そこに触れることで、建設業というものが、若い人たちにとって魅力のあるものになったということが、すごく大きいかなと思います。もうひとつは、手作業ではできないような、複雑で高度なものが BIMを使うことが解けるようになった。このふたつのことが、大きいと思います。
宮内氏: 今、私たちの中で取り組んでいるのは、例えば瞬時にコストを出すとか、瞬時に工程を出すとか、環境的なデータを出すといったものを、オートデスクと一緒に計画しています。こういったテクノロジーの発展というのはさらに進んでいくと思いますし、もっと多くのことにデータを使っていけるようになるんではないかと思っています。
河野氏: 村田の方からは、日本の建設業を世界へ輸出するんだと。それもひとつ、大きな夢です。
村田氏: いま現在、私のミッションは「技術の大和ハウス」ということなんですね。そこをもっと強化していくことによって、例えば技術の力を持ったデベロッパーということは、大変貴重な存在になると思うんです。
ひとつは技術の大和ハウス、もうひとつは世界の大和ハウス、これを目指したいと思っています。