ゲルド・ヤコブ氏 (ESO機械工学主任): ELTは 宇宙をかつてないほど深く、鮮明に観察可能にするでしょう。
ロナルド・グスマン・コラソス氏 (ESO望遠鏡・大型構造グループ主任): この巨大な構造物はヨーロッパ全土で建造され、輸送されて、何もない砂漠に設置されます。
ヤコブ氏: 「超大型望遠鏡」を略したELTは、ESOがこれまでに手がけた中でも最も野心的なプロジェクトです。ELTに関連するあらゆる作業が、従来の天文学のどの分野と比較しても10倍の規模になっています。
グスマン氏: 私はロナルド・グスマン、機械エンジニアです。ELTプロジェクトに関わるようになったのは、望遠鏡・大型構造グループの責任者になってからです。
ヤコ氏: 私はゲルト・ヤコ、ESOで機械工学部門の責任者を務めています。ESOは南半球の天文学を研究するヨーロッパの組織です。これほど大規模なプロジェクトを行うには、あらゆる分野の専門家の協力が必要です。そのために 世界最大の望遠鏡を望む天文学者と、それを作り上げるエンジニアがいます。
グスマン氏: 関連する組織や企業、研究所などを含めると、このプロジェクトに数千人が携わっています。
ヤコ氏: ESOではオートデスク製品を長年使ってきました。このELTの建設では多くのステークホルダーの間でデータの世界的なコミュニケーションを行うため、Construction CloudやFusion Manageなど、他のオートデスク製品も組み合わせることが必要になったのです。ELTには何百万もの部品があります。その建物は高さ80mの巨大なドームです。内部には主鏡を構成する天体観測機器があります。システムの感度を高めるため、そのすべてが極低温に冷却されています。ELTではすべてが従来の10倍の規模であるため、さまざまな課題が生じます。
グスマン氏: 現在、Inventorを社内での開発と設計に使用しています。その後、データをInventorからRevitに転送することで、望遠鏡の完全なモデルの作成に役立ちます。仮想モデルを作成することで、この望遠鏡のサイズを理解し、実感できます。干渉のチェックも可能で、望遠鏡の将来の姿も確認できます。3ds Maxはアニメーション作成やVR内でモデルを使う際のサーフェス改善に利用しています。
ヤコ氏: これまでの成果には非常に満足しています。まだ先は長いですが、ESOのような環境で働けることを本当に誇りに思っています。
グスマン氏: この望遠鏡のすべての分野は本当に魅力的で、ヨーロッパ中、そして世界中の同僚たちと国際的な環境で仕事ができています。この望遠鏡が稼働して、設置されたレーザーが空間に発射されるのを目にするのが本当に楽しみです。それは経験しうる最高の瞬間になるだろうと思います。
ヤコ氏: 最もエキサイティングな疑問に答えが出ることを期待しています。宇宙は最初の段階でどう形成されたのでしょうか? ブラックホールはどのようなものなのでしょうか? そして、我々は宇宙で孤独なのでしょうか?