ヨーロッパでも最も多忙な港でパーツをオンデマンド製造

ロッテルダム港のアディティブ マニュファクチャリング ラボ、RAMLABがオンデマンド製造を活用して、海運業界におけるスペアパーツの無駄を最小化。

Autodesk Video

2018年2月5日

 

ロッテルダム港は、かつてはヨーロッパのみならず、世界で最も多忙な港でした。現在は、世界で最もスマートな港を目指しています。

それを実現するための方法のひとつが、海運業界に新たなテクノロジーとイノベーションを持ち込むRAMLAB (ロッテルダム アディティブ マニュファクチャリング ラボ) のように、新たな取り組みへの投資です。このビデオでは RAMLAB の代表を務めるヴィンセント・ヴェーハー氏が、アディティブ マニュファクチャリングの活用により、産業用のスペア パーツを常時、かつオンデマンドで提供可能とする計画を紹介します。

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Vincent Wegener, Managing Director, RAMLAB: RAMLAB代表のヴィンセント・ヴェーハーです。RAMLABはロッテルダム アディティブ マニュファクチャリング ラボの略で、所在地はロッテルダム港です。ロッテルダム港は、かつては世界最大の港でした。現在は世界で最もスマートな港を目指すというストラテジーを掲げて、当局があらゆるイノベーティブな取り組みを調査しています。そのひとつがRAMLABです。

2015年に、あらゆる海運・海洋関係の会社と調査を行いました。その実験の際に、今後はどう継続していけばいいかと当局に尋ねられたのです。その際に提案したラボの設立が認められたので、この会社を始めました。

幾つかの問題の解決に当たっています。問題のひとつとして、大きなパーツの製造は、従来は鋳造で行われてきたことが挙げられます。鋳造の場合、鋳物を作り、それ後処理して運搬する必要があります。この方法ではパーツが届けられるまでに6カ月から1年が必要です。RAMLABのパートナーであるエンドユーザーの多くが、その納期を短縮できればと考えています。パーツを数日で作ることができれば、多くの会社が助かります。ロッテルダム港には倉庫が数多くあります。調査によると、その70%は使われておらず、スペアパーツも全く使われません。そのため多くの資源が無駄になっています。彼らは「どうすればディスラプションを起こせるのか?」「デジタルな倉庫に移行できれば物理的な倉庫は不要なのに」と考えていました。ロッテルダム港当局が新たなビジネスモデルを積極的に探し、それがラボ設立の出発点となりました。

我々が採用したのはワイヤ+アーク放電によるアディティブ マニュファクチャリングです。これは溶接ですが、3D溶接です。プロペラの製造には240時間ほどかかるので、10日間ノンストップで行われます。

海運や海洋の世界には厳密な規則と認証があります。パーツを製造するだけでなく、その認証が重要です。BVやロイドなどの認証パートナーが参加していなければ、パーツを作っても無駄になります。私の原動力は、テクノロジーが好きで、世界のどこかでは、もう実現していることがあります。彼らがやっているのだから、ここロッテルダムでもできない理由はありません。ここでもできるはずだ、というのが私のモチベーションなんです。小さなチームでも、多くのことを達成できます。そして、信じていなかった人も信じるようになるものなのです。

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