新型コロナウイルス感染症対策で人工呼吸器の製造に手を貸すロボット会社
「時間は最高かつ最善のことだけに使え」。メンターから受けた、この賢明な助言こそが、タイラー・マンテル氏が最新プロジェクトを導く力となっている。新型コロナウイルス感染症で生じた不足に対処するべく人工呼吸器を製造するプロジェクトに、世界各地からエンジニア集団が集められた。
ボストンのAutodesk Technology Centerレジデンス・プログラムに参加し、先進ロボット工学を使用して送水管の水漏れ点検を行うWatertower Roboticsの設立者兼CEOであるマンテル氏は、人工呼吸器の製造数を5月時点の1,000台から夏の終わりまでに10万台へ拡大したいと考えている。マンテル氏が、その仕事が「悔しさ」を感じた体験だと話す理由について、ぜひビデオをご覧いただきたい。
[ビデオ字幕]
タイラー・マンテル氏 (Watertower Robotics 設立者兼CEO): 今回、送水管から人工呼吸器に変えたのは、以前メンターに言われたことにインスパイアされたからです。「最高かつ最善のことだけに時間を使え」と言われました。いま私がすべきことは、人工呼吸器不足への対処です。
この数週間で実現できたことは、10年前には不可能でした。Autodesk Fusion 360や他のコラボレーション ツールを活用することで、世界中の250名のエンジニアと協力して開発を進められています。
この問題を認識して、取り組もうと決めたら、すぐに知っている限りのエンジニア全員に連絡しました。現在では 240 名からなる分散型チームです。空気を制御した状態で注入できる製品を開発できています。患者からフィードバックを得ることもできます。
5月には1,000台の製造を行っており、6月には1万台を出荷予定です。夏の終わりまでに10万台を出荷可能になれば、世界的な需要に大きく貢献できるようになるでしょう。
今回の経験は悔しさを感じるものでした。世界各地のさまざまな地位や立場の人が困難に対処し、この重要な取り組みの支援に立ち上がっています。
私はWatertower Roboticsの設立者、CEOです。弊社の業務は送水管の水漏れの点検です。ベトナム ダナンでの大規模なプロジェクトを予定していました。ダナンは毎年、膨大な量の水不足に苦しんでいます。コロナ禍の収束後は、そのプロジェクトに戻るつもりですが、今は世界の大きな問題の解決を優先しています。