LOD

開発レベル: コーディネーションとコラボレーションを実現

開発レベル(LOD)により、コラボレーションと明確性を最大限に高めます。シームレスなデータとファイル交換が可能になり、専門分野をまたいでプロジェクトの効率が向上します。

構造用鋼と応力解析を表示する建物モデル。

構造用鋼と応力解析を表示する建物モデル。画像提供: BNIM

LOD(開発レベル)とは

開発レベル(LOD)とは、プロジェクトのさまざまな段階でビルディング インフォメーション モデル(BIM)に含めるべき詳細情報の量と精度を定義するための標準化されたフレームワークです。

建物モデルの MEP システムで作業する建築設計者。

建物モデルの詳細情報は、各レベルごとにさらに精細度が高くなっていきます。

6 つの開発レベル(LOD)

米国建築家協会(AIA)と米国建設業協会(AGC)は、建物モデルを以下の特定のレベル(英語)に分割する、一般的に使用される LOD フレームワークを確立しました。

LOD 100—コンセプト設計: この段階では、モデルは要素の基本的な形状とサイズを表します。詳細な情報は必要ありません。全体の設計意図を伝えるために使用します。

LOD 200—スキーマ設計: モデルに要素の概算量、サイズ、形状、位置が取り込まれ、精細度が高まります。これは、空間関係や初期の設計コンセプトの解析に役立ちます。

LOD 300—詳細設計: このフェーズでは、モデルにジオメトリ情報、特定のサイズ、形状、詳細なオブジェクト コンポーネントが含まれます。建設文書の作成や各種分野の調整に使用します。

LOD 350—設計図書: モデルに詳細なアセンブリ、ファブリケーションまたは建設レベルの情報が含まれます。建設文書や施工図の生成に使用します。

LOD 400—ファブリケーションとアセンブリ: このレベルでは、ファブリケーションとアセンブリの用途に適した、特定のアセンブリと接続を備えた詳細なモデルを作成します。

LOD 500—現況または施設管理: この段階のモデルには、建物に設置された要素および運用要素に関する情報が含まれます。保守および施設管理の実際の状況を反映したものになります。

建築家たちが会議用テーブルでデジタル建築モデルをレビューしている。

複雑なプロジェクトや経験豊富なチームほど、包括的な LOD ワークフローを実装します。

「開発レベル」の使用事例

開発レベル(LOD)を使用することで、モデル作成者はモデルの信頼性を明確に定義し、下流のユーザーが受けるモデルの制約を理解できるように支援できます。このため、LOD は建設業界にとって不可欠なものです。LOD は、各プロジェクト段階で必要な信頼性と精度を標準化することで、関係者間の誤解を最小限に抑え、リソースの使用を最適化し、プロアクティブな意思決定を支援します。

すべての AEC プロジェクトで開発レベル(LOD)を使用しますか?

LOD(開発レベル)は、建築、エンジニアリング、建設(AEC)業界で広く使用されている有用なフレームワークですが、それを採用するかどうかはプロジェクト固有の要因に依存します。複雑な設計を含む複雑なプロジェクト、特定の規制を遵守しなければならないプロジェクト、経験豊富なチームを持つプロジェクトでは、LOD を包括的に実装する可能性が高くなります。 

BIM は開発レベル(LOD)にどのように関与しますか?

AEC では、ビルディング インフォメーション モデリング(BIM)と開発レベル(LOD)が密接に関連しています。BIM は LOD を実装するためのデジタル バックボーンとなり、建物要素の詳細なデジタル表現の作成、管理、共有を可能にします。 LOD は、さまざまなプロジェクト段階で BIM モデルに含める詳細情報の度合いと精度を指定するフレームワークです。 

プロジェクトで開発レベルはどのように追跡されますか?

開発レベル(LOD)は、BIM 実行計画(BEP(英語))の重要な要素である LOD マトリックスを通じてプロジェクト内で追跡されます。LOD マトリックスでは、プロジェクト チームは、さまざまなプロジェクト ステージにおける特定の建物要素とシステムの LOD 要件を定義し、その概要を示します。各開発レベルでの BIM モデルの作成と維持に関する責任は、それぞれの関係者に割り当てられます。LOD マトリックスは参照として機能し、指定された LOD 要件を満たすように BIM モデルの作成をガイドし、コンプライアンスのために継続的に監視されます。

BIM での LOD(開発レベル)の利点

開発レベルは、さまざまな BIM 主導のプロジェクト フェーズ全体で、モデルの精度、データ交換、コラボレーション、効率を向上させるなど幅広いメリットをもたらします。 

標準化

LOD は、プロジェクトのさまざまな段階におけるモデル要素の詳細と信頼性を定義し理解するための、標準化されたフレームワークと言語を提供します。

 

効果的なコラボレーション

LOD が適切に定義されていれば、複数の専門分野チームが一貫性のあるフレームワーク内で共同作業を行うことができます。これにより、専門分野間の干渉や競合が最小限に抑えられ、調整が簡単になります。 

 

リスクの軽減

設計フェーズ中に潜在的な問題を特定して解決することで、LOD はリスクを軽減し、コストのかかる変更や施工中の再作業の可能性を低減するのに役立ちます。

 

明確性

LOD を使用すると、設計意図を設計図書に正しく反映させることができます。これにより、計画の曖昧さやエラーが軽減され、施工プロセスがスムーズになり、変更管理が少なくなります。

 

最適化されたリソースの割り当て

最も重要な部分には詳細なモデルが使用され、それほど重要でない要素にはより単純なモデルが使用されるため、時間とコストを最適化できます。 

 

施設管理

LOD 500 モデルは、施設管理の重要なツールとして機能し、実際に現況に基づいた情報を提供します。この情報は、保守、改修、将来的な修正を支援します。

 

LOD 用ソフトウェア

建築、エンジニアリング、施工チームの共同作成、コラボレーションおよびコーディネーションに対応したクラウドベースのソフトウェアです。「Pro」をご利用いただくと、いつでもどこでも、Revit、Civil 3D、AutoCAD Plant 3D で共同作業が行えます。


BIM 対応のパワフルなツールを使用して建物の計画、設計、施工、管理を行えます。


Revit、AutoCAD、Civil 3D、Autodesk Forma など、設計、エンジニアリング、建設・施工向けの強力な BIM ツールと CAD ツールを網羅したコレクション


実際の開発レベル(LOD)事例

西オーストラリアのオプタス スタジアムの俯瞰図。

HASSELL、COX、HKS

BIM を使用して単一のビジョンを実現

大手建築事務所が Revit BIM ソフトウェアと Dynamo Studio を使用したオプタス スタジアムの設計で、プロジェクト目標を上回りました。

 


フランスのセントジョリーにある Bessac 本部の写真。

TAILLANDIER ARCHITECTS ASSOCIATES

独創的なデジタル ワークフローの導入

この建築設計事務所は、Revit BIM ソフトウェアと Navisworks Manage を使用して設計上の課題に取り組んでいます。

 


画像提供: Taillandier Architects Associates

拡張したラスベガス コンベンション センターのレンダリング。

TVS DESIGN

人材、プロセス、テクノロジーの統合

建築・インテリア デザイン スタジオが、Autodesk AEC Collection を使用してデジタル設計ワークフローを変革しました。

 


画像提供: TVS Design

LOD リソース

開発レベルにより、3D モデルの作成者や受領者は、共通の理解を持ち BIM の障害を回避することができます。

 

BIM の開始点から現在のアプリケーションに至るまでのビルディング インフォメーション モデリングの進化を追跡します。

 

BIM がノートルダム大聖堂の新しい景観設計にどのようにサステイナビリティと包括性をもたらしたかをご覧ください。

 

LOD に関するよくある質問(FAQ)

BIM の開発レベルとは何ですか?

ビルディング インフォメーション モデリング(BIM)の開発レベル(LOD)とは、さまざまなプロジェクト フェーズで BIM モデルの詳細情報のレベルと精度を指定するための標準化されたフレームワークです。基本的な設計意図を表す LOD 100 から、レベルは LOD 500 へと進み、実際の状態を捉えます。LOD 200 は空間関係の精度を高めます。LOD 300 は実施設計図の詳細な設計情報を提供します。LOD 350 は設計図書や施工図に役立ち、LOD 400 はファブリケーションとアセンブリの詳細に重点を置きます。 LOD 500 は、施設管理のために実際に設置された要素を反映したモデルに焦点を当てています。

LOD 100 と 200 の違いは何ですか?

LOD 100 と LOD 200 は、建築、エンジニアリング、建設(AEC)プロジェクトの初期段階で、ビルディング インフォメーション モデリング(BIM)モデルにおいて、それぞれ異なるレベルの詳細情報を提供します。LOD 100 では、初期の視覚的コンセプトを表現するために、形状と位置を強調して、設計意図の基本的な描写を行います。LOD 200 は、要素の量を増やし、サイズ、形状、空間的な関係でモデルを強化し、事前設計の分析と決定を支援します。

LOD 200 と 300 の違いは何ですか?

LOD 200 および LOD 300 は、建築、エンジニアリング、建設(AEC)プロジェクトのコンテキスト内で、ビルディング インフォメーション モデリング(BIM)モデルにおいて、それぞれ異なるレベルの詳細情報を提供します。LOD 200 は、基本的な概念表現を超えて、概算量、サイズ、形状、空間関係を導入することにより、概略設計フェーズ中の事前設計の決定を支援します。LOD 300 では、ジオメトリ情報、特定のサイズ、形状、詳細なコンポーネントを組み込んで、モデルをさらに調整します。

LOD 400 と 500 の違いは何ですか?

LOD 400 および LOD 500 は、ビルディング インフォメーション モデリング(BIM)モデルの最高レベルの詳細情報を表現します。LOD 400 は前のレベルである LOD 300 を超え、ファブリケーション、アセンブリ、建設の調整に不可欠な詳細情報を提供します。このモデルはデータが豊富であるため、施工図の作成、プレファブリケーションの促進、施工計画の強化に役立ちます。LOD 500 は詳細度と精度が最も充実したレベルであり、実際の条件や施設管理のための正確な情報を把握することを目的としています。これにより、BIM モデルに建物の実際に設置された要素が反映され、運用、メンテナンス、リノベーション、将来的な設備の変更に非常に役立ちます。 

開発レベルと詳細レベルの違いは何ですか?

開発レベル(LOD)と詳細レベル(LoD)は、それぞれ別の点に重点を置いたビルディング インフォメーション モデリング(BIM)のコンセプトです。LOD は、さまざまなプロジェクトの各段階で BIM モデル内の情報の詳細度の度合いや精度の概要を示す標準化されたフレームワークのことであり、設計、コーディネーション、ファブリケーション、施設管理に必要な正確な情報を指定することで、明確なコミュニケーションとコラボレーションを確保するためのものです。一方、詳細レベル(Level of Detail)は、特に 3D モデルのジオメトリの複雑性の度合い示し、レンダリング、ビジュアライゼーション、シミュレーションといった視覚的情報をどれほど詳細に表現するかを示すものです。 

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