Elevate your design and manufacturing processes with Autodesk Fusion
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Fusion 360 Machining Extension は、3 軸加工をメインに業務を行っている方にも 5 軸の加工業務を行っている方が使用しているCAMツールと同等の価値を提供すると 言っても過言ではありません。ここでは、この拡張機能で利用可能な上位 5 つの機能をご紹介します。
Fusion 360 Machining Extension は、その名前が示すように、CNC マシンを使用して部品を製造する企業のために、追加で利用可能な拡張機能の使用制限を解除し利用可能にます。この拡張機能は、 Fusion 360 のコアとなる 2D、2.5D、3 軸、3+2 加工機能をベースにしています。一般的な CAM プログラミング作業を自動化し、複雑な 3D 形状の加工を簡素化する加工パス設計と ワークフローが追加されています。
Machining Extension がリリースされた初期には、単なる 5 軸のアドオンだと思われたかもしれません。確か に 4 軸と 5 軸の同時加工技術を豊富に搭載していますが、実は 5 軸加工だけではありませ ん。実際、この拡張機能は 3 軸加工者にも 5 軸加工者と同じだけの価値を提供し ます。
それでは、Fusion 360 Machining Extension について、どの様な CAM プログラミング機能が搭載されているのか見てみましょう。
Fusion 360 Machining Extension。トップ 5 の機能
1. 部品加工の自動化
単純な 2D や 3D の形状の加工設定をすることは、一般的にそれほど難しいことではあ りません。どの加工方法を使うかを決めるのは簡単で、製作はかなり速く、部品を完全に加工 するためにそれほど多くの加工パス設定は必要ありません。必要な NC コードの作成も短時間 で済み、部品を迅速に生産することができます。
しかし、パーツの複雑さと精度が増すにつれて、パーツを完全かつ正確に加工するために、 どの加工方法を使用すべきかを判断することが難しくなります。パーツを加工する方法が たくさんあるため、CAM プログラマーのタスクは圧倒され、プログラミング時間が長くなり、コストのかかるミスが発生する可能性が高くなります。
Fusion 360 Machining Extension は、少数の非常に効果的なツールパスで部品を 正確に加工できる機能で、この問題に対処します。例えば、「急斜面と緩斜面」をつかった加工工程は、部品の加工領域を適切に認識します。 そして、最適化された異なる種類の工具パスで加工を行います。
「急斜面と緩斜面」(英語)は、単に賢いツールパスというだけではありません。走査線、 スキャロップ、等高線ツールパスに個別にアクセスでき、さらにそれらを組み合わせて「急斜面と緩斜面」ツールパスを作成できる、4-in-1 戦略です。ステップオーバーとステップダ ウン、ツールパスの順序、領域のオーバーラップ、ツールパスのスムージング、壁の自動 クリアランスを個別に制御できるため、「急斜面と緩斜面」は複雑な形状のプログラミング を簡素化します。その他のスムージングオプションは、工具パスポイントの分布を制御し、 工具パスポイント出力をコントローラに適合するように調整することができます。
あまり知られていないことですが、「急斜面と緩斜面」は 3 軸加工機や多軸加工機のユーザーにとっても利用可能なオプション機能で、自動衝突回避機能によりツールパスの安全性と効率がさらに 向上します。
2. 穴の自動認識と穴あけ
穴あけ加工は、最も一般的な CNC 機械加工タスクの 1 つです。Fusion 360 Machining Extension は、3D モデル(他の CAD システムからインポートしたモデルを含む)の穴を認識し、あらかじめ定義された(設定可能な)テンプレートを使用して効率的な 3 軸および 3+2 穴あけサイクルを作成することにより、通常時間のかかるこの設定作業を効率化します。これには、 スポットドリル、タッピング、溝、リーマ加工などが含まれます。テンプレ ートにより、全社的なベストプラクティスを定義、記録し、チーム間で共有することで、 一貫性の向上、生産性の向上、時間の無駄やヒューマンエラーにつながる付加価値のない タスクの大幅な削減が可能になります。
3. 形状のプローブ、サーフェス検査法、パーツの位置合わせ
標準のFusion 360には、ワーク座標系(WCS)セットアップ・プローブ が搭載されており、スピンドルに取り付けたプローブを使って、CNC マシンでの簡単なパー ツのセットアップを自動化することができます。Fusion 360 Machining Extensionはさらに、 CNC 加工工程全体の品質とパフォーマンスを監視するための形状のプローブ、サーフェス検査法、パーツの位置合わせの機能を追加しています。
これらの追加ツールにより、特定の加工操作の後にパーツを測定し、パーツの状態が要件を満たしていることを検証することができます。プロセスの早い段階で不適合を認識し、 測定データを使って、パーツを修正するための十分な情報を得た上での決断を下すことが できます。もしパーツが不適合と認識できれば、廃棄し、不適切なパーツにさらに加工時間やコストを費やすことを避けられます。
プローブを使用してワークのセットアップを自動化(英語)することは、加工するパーツが大きい、重い、または非プリズム形状で、手動でセットアップするのに相当の時間 と労力を要する場合に、特に有効です。サーフェス検査法では、重要なポイントを測定して、実際 のパーツが機械上のどこにあるかを判断することができます。そして、このデータを使っ て WCS を調整し、NC コードが部品と一致するようにすることができます。多くの場合、 自動パーツセットアップは数秒から数分しかかかりませんが、手動セットアップに費やさ れる時間を最大 80%削減することができます。
「最近、Machining Extension のパーツの位置合わせ(英語)機能を使用して、 1″x5″の棒材からサイズに合わせて切り出したアルミニウムからいくつかのパーツを加工しました。Haas VF2 マシンで加工を開始しようとしたとき、棒材が正方形から切り取ら れていることに気づきました。このままでは 200 ドル以上の材料を廃棄して再注文しなけ ればならず、機械は一日中稼働していない状態になってしまうところでした。Fusion 360 のパーツの位置合わせを使って、スピンドルに取り付けたプローブで各素材を測定 し、加工方向を自動的に調整して、すべてのパーツが理想的とは言えない外形に収まるよ うにすることができたのです。すべてのパーツが完璧に仕上がりました。この節約額で、 マシニングセンタの年間コストの少なくとも半分をまかなうことができました。
– Conturo Prototyping 社 ショップ・スーパーバイザー Patrick Fee 氏
4. ツールパスの修正
理想的には、CAM システムによって作成されたツールパスは、毎回、最初から完璧で、CAM プログラマーが必要とするものを正確に実行することができていてほしいです。現実には、プログラマ ーは、重複加工を避けるために局所的な領域を削除したり、Z 深さを制限したり、別のツールホルダーを使用することを決定するなど、ツールパスの変更が必要になることがよくあります。
そこで、Machining Extension で提供される強力なツールパス修正オプションが役に立ちます。このオプションにより、CAM プログラマーは工具パスを完全に再計算することなく、 小さいながらも重要な変更を行うことができます。ツールパスの修正には以下が含まれます。
- スケッチ/ポリゴン/平面へのツールパスのトリミング – ツールパスのローカルな領域 を削除することができます。
- 1 つまたは複数のツールパスパス/セグメントを削除 – 上記の制限オプションのバリ エーションで、ツールパスの一部または全体を削除することができます。
- 工具の進入位置の移動 – 閉じた工具パスにおいて、切削工具が材料に進入する位置を 変更できます。
- 工具を交換する – 例えば、代替工具を使用するためにツールパスを更新します。注意: チップは変更せずに、送りや速度、ホルダーの組み立て、ホルダーの下の長さを変更 することができます。
ツールパスの変更については、こちらの動画、または記事(英語)をご覧ください。
境界線へのトリミングなど、ツールパスの修正も無駄な再計算をせずに適用できます。
5. 同時 4 軸・5 軸
ここまでは、3 軸のユーザーに対しての話でしたので、4 軸や 5 軸の CNC 工作機械をお持ちでなくても、Machining Extensionを導入するメリットがあることは明らかです。しかし、 Machining Extension の記事を書くにあたって、4 軸および 5 軸の同時加工に関する強力な 機能について触れないのは意味がありません。
これらの機能は、標準のFusion 360 の 3+2 加工機能を補完するもので、スワーフ、複合軸輪郭、 複合軸フロー、回転加工法(英語)などの専用ツールパスや、急斜面と緩斜面加工法 における複合軸オプションが含まれます。CNC マシンの動きを正確に制御し、より高い精度と 表面仕上げを実現するために、さまざまな工具軸オプションから選択できます。
オプションには、「リード/リーン」(基本的なサーフェス形状から得られる)、およびユーザー定義のポイントまたはカーブに対して工具軸の動きを駆動するオプションが含まれています。高度なオプションは、加工された部品の欠陥を最小限に抑えるために滑らかな機械運動を生成するのに役立ち、工具軸の制限によって CNC マシンの物理的な制限内に収まる NC コードを作成します。
最も複雑なパーツの場合、自動衝突回避機能(英語)により、ツールホルダーアセンブリ をパーツから離して傾けることができます。必要で正確な動作を実現するために、さまざまな傾斜オプションにアクセスすることができます。強力なツールパスシミュレーション とマシンアニメーションは、問題を早期に発見し、実機でコストのかかるミスになる前に修正する ことができるため、信頼性を高めることができます。
「Fusion 360 の 5 軸機能はとてもパワフルで使いやすく、何時間もかかっていたプログラ ムが数分でできるようになりました。 」
-MJK Performance 社プログラマー、Phil Butterworth 氏
Machining Extensionの5軸機能については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
Fusion 360 Machining Extension をお試しいただくご準備は整いましたか? 3 軸または 5 軸 の CNC マシンを使用している場合、どちらでも、最高品質の NC 加工コードの作成にかかる時間を短縮するための技術が満載されています。
Fusion 360 Machining Extension についてもっと知る
Fusion 360 の概要と製造に関する機能については、Fusion 360 for Manufacturing Departments のサイトをご覧ください。Fusion 360 Machining Extension の詳細について は、Fusion 360 サイトをご覧ください。
Machining Extension を柔軟に利用することで、製造業がどのような利益を得ているのかを 知るには、このオンデマンド Web セミナーをご覧ください。
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