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パーシャル ハンド ソリューションズ社が人工義肢装具における重要な進歩とニーズに応え、Autodesk Fusion 360 と Formlabs Fuse 1 の 3D プリンターを使用して、人工の指や手などの人工義手を設計し、製造する方法をご紹介します。
マシュー・ミコズ氏は過去 20 年間、人工の義肢装具の業界で働いてきました。早くから、腕、脚、肘などの義肢装具における重要な進歩に多くの投資が行われていることに気づいていました。
しかし、指の一部や全部を切断している人には、あまり選択肢がないことに気づいたのです。アフガニスタンからの帰還兵から、さまざまな事故に遭った人まで、その状態は多様でした。
そこで彼は、文字通り自らの手でこの問題を解決し、指と手のための新しい革新的な義肢装具として人工義手を設計するためにパーシャル ハンド ソリューションズ (Partial Hand Solutions) 社を設立したのです。彼はスケッチを始め、最初の 3D モデルを作るためにエンジニアを雇いました。他のソフトウェアではコストがかかりすぎるということで、Fusion 360 を採用しました。
「高価なソフトウェアに代わる解決策を見つけることができ、しかもとても使いやすいです。」とミコズ氏は言います。「私はエンジニアではないので、オンラインでたくさんのチュートリアルを見て、独学で勉強しました。常に勉強していますよ。」
「私はコンピュータの前で何時間もずっと座ってデザインし続けていて、特に新しい Fuse 1 では、3D プリントと組み合さっていくところが気に入っています。」と続けます。
Fusion 360 と Fuse 1 を使った 3D プリント
最近、Fusion 360 と手頃な価格の Formlabs Fuse 1 SLS (英語) プリンターが統合され、パーシャル ハンド ソリューションズ社の可能性がさらに広がりました。Fuse 1 は、低価格、競争力のあるプリント品質、小さなフットプリント、シンプルなワークフローなど、積層造形にとって大きな飛躍となるものです。
ミコズ氏のワークフローは Fusion 360で設計し、Formlabsの PreForm (英語) ソフトウェアで印刷用のファイルを準備し、Fuse 1 で 3D プリントを行うというものです。プリント工程の最後には、Fuse Sift (英語) Powder Recovery Station を使って、ビルドチャンバーから 3D プリントを取り出し、パーツをクリーニングし、ルースパウダーをふるいにかけて、パウダーをリサイクルしています。
高価な射出成形用の金型が戻ってくるのを待つ代わりに、ミコズ氏は彼のオフィスで (英語) を使って人工義手の設計と耐久性のある部品をオンデマンドで製造し、しかもはるかに安いコストに抑えることができるようになりました。
「設計プラットフォームとしての Fusion 360 と製造用の Fuse 1 は本当にしっかりしていて、ハードウェアとソフトウェアの素晴らしい組み合わせだと思います。」と彼は言います。
「その気になれば毎日でも試作ができるし、本当にお金がかからない。これは私にとっても、私のような小規模なビジネスにとっても素晴らしいことです。自分のデザインを進化させ、改善し続けることができるのです。」
– パーシャル ハンド ソリューションズ社 創業者 マシュー ミコズ氏
Fusion 360 で人工義手の寸法を調整
パーシャル ハンズ ソリューションズ社の部分的な指の人工義手は、目玉商品でもある M-Finger をはじめ、5 種類のサイズがあります。しかし、カスタムのサイズ変更が必要な場合、ミコズ氏はクライアントに応じて小さくしたり大きくしたりすることが簡単にできます。
「Fusion 360 の素晴らしいところは、誰でも義手の寸法をとってカスタムのサイズを作れることです。」と彼は言います。
さらに、ミコズ氏は現在のデザインにとどまりません。彼は常に革新を続け、肘のデザインまで手がけています。最近、アラバマ州に住むある母親が、娘のために小児用サイズの人工義手をリクエストしてきました。彼は、それを実現するために人工義肢に挑戦することを約束しました。
「この特定の子どもの患者さんのために、自分で人工義手を設計して、まったく新しい指やシステムを作り直し始めました。その時、私はどうしようかと思いました。そうだ、大人用をスケールダウンすればいいじゃないか」と。そこで、リベットやネジ、バネなどのハードウェアを設計し直しました。さらに、小型化に対応するために、穴のデザインも変更しました。
「Fusion 360 では、縮小するだけで、新しい小児版の人工義肢の指を簡単に創造することができました」と彼は続けます。「この少女に新しい手を提供することが簡単にできました。」
現在、ミコズ氏はこれまでで最も野心的なプロジェクトである機械的な手の人工義肢に取り組んでいます。Fusion 360 と Fuse 1 3D プリンタがあれば、この新しいアイデアを実現し、より多くの人々の生活を変えることができると確信しています。