Elevate your design and manufacturing processes with Autodesk Fusion
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[工具長オフセット]の概要と、その重要な役割、マシン上でのアクセス方法、設定方法を解説します。
Machining Fundamentals(機械加工の基本)シリーズは、機械加工の初心者から工場で働くプロフェッショナルまでが、わかりやすく CAM の知識を学べるビデオ シリーズです。オートデスクのバーミンガム・テクノロジー・センターに務める社内の機械オペレーターが各エピソードのホスト役を務め、ツールやプロセスの概要を解説します。前回は、送りと速度について説明しました。今回は、[工具長オフセット]の概要と、その重要な役割、マシン上でのアクセス方法、そして設定方法を解説します。さらに、間違った値を入力するとどうなるかもお見せします。
コンピューター数値制御(CNC)加工機は、特定の工具情報を保持しています。機械オペレーターはこれに基づき、Autodesk Fusion 360 ソフトウェアで計算された通りに加工するには、工具をどこに配置すればよいかを知ることができます。この情報には、工具の直径、コーナー半径(存在する場合)、そして工具の長さである[工具長オフセット]が含まれます。
[工具長オフセット]の概要と、その重要な役割
マシンについて唯一わかっているのは、スピンドル ノーズの基準点です。[工具長オフセット]とは、スピンドル ノーズと工具先端の長さの差です。
[工具長オフセット]の値を入力しなければ、Autodesk Fusion 360 のツールパスによって定義されるポイントに対して、スピンドル ノーズが誤作動してしまいます。その結果、スピンドルが破損したり、マシンの精度や位置合わせが損なわれたり、さらにはマシンの部品を廃棄せざるを得ない場合もあります。
HSK63 と BT40 の 2 種類のホルダーを見てみましょう。どちらもさまざまなマシンに取り付け可能で、色んな方法で工具を固定できますが、この 2 つは長さが異なります。工具がホルダーからはみ出る長さはさまざまなので、使用する前にオフセットを正確に設定することが重要です。
工具長を使用して、スピンドル ノーズを工具長の分だけオフセットします。これにより、工具の先端がスピンドル ノーズではなくこの新しいポイントに移動します。
[工具長オフセット]では、機械オペレーターが各部品の Z 軸データムを設定することで、長さがさまざまに異なる CNC マシン工具を補正できます。これにより、機械オペレーターは異なる工具を使用するたびに Z 軸データムの設定を変更する必要もなく、複数の工具を使用できるようになります。
オフセットの検出
コントローラーによって、工具の値を保持する場所は異なります。上記のビデオで説明しているように、HEIDENHAIN コントローラーの[Tool Length Offset](工具長オフセット)テーブルにアクセスするには、[Tool Library](工具ライブラリ)ボタンをクリックすると、マシンに保存されているすべての工具のリストが表示されます。Haas NGC コントローラーの[Offset](オフセット)テーブルにアクセスするには、[Offset](オフセット)ボタンをクリックします。
工具長オフセットの設定
オフセットはさまざまな方法で設定できます。このビデオでは、レーザー ツール セッター、機械式ツール セッター、既知の較正工具を備えたスリップ ゲージという 3 つのツール セッター オプションを備えたマシンを紹介しています。光学式ツール セッターなどの専用のツールを使用すれば、マシンから工具を外して設定することもできます。
このビデオでは、レーザー ツール セッターを使用する工作機械を紹介します。手動で設定する必要はありません。ただし、Haas の加工機では機械式ツール セッターを使用するため、手動で設定する必要があります。それぞれのツール セッターには異なる長所があり、どちらを使用しても正確かつ一貫した結果が得られます。
光学式ツール セッターは、独自のツールセット機器を備えていないルーターやマシンに便利です。これらのツール セッターは通常、非常に正確ですが、コントローラーに手動で入力する必要があります。最も精度が低いのは、すべての CNC マシンで使用可能なスリップ ゲージで、こちらもコントローラーに手動で入力する必要があります。最近のマシンにはあまり採用されていないアプローチです。
不正確な工具長オフセット値
Autodesk Fusion 360 でツールパスをシミュレーションする際には、対応するオフセット値が設定されているかを Fusion 360 ツール ライブラリで確認することが重要です。これにより、シミュレーションや NC 出力が正確になります。
このビデオでは、モデルのさまざまなサーフェスを異なる角度で加工する方法を紹介しています。サーフェス間におけるブレンドの問題がなく、すべてのサーフェスが滑らかに見えます。工具のオフセットを -0.5 mm 調整した場合の動作を見てみましょう。この工具を実際よりも短いと見なしたコントローラーは、工具をパーツに 0.5 mm 深く押し込みます。
機械部品が正確な仕上げを実現するためには、オフセットを正確に設定することが非常に重要であることがわかります。Autodesk Fusion 360 の、真に統合された CAD/CAM 環境を体験してください。