サステナビリティとデザインの融合:Autodesk Fusion のアドオン Manufacturing Sustainability Insights とは 

Kavya Jhingran Kavya Jhingran 7月 14, 2024

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Manufacturing Sustainability Insights(MSI)は、Autodesk Fusion のアドオンです。設計のカーボン インパクトを把握し、それに基づいて的確な意思決定を導くことができます。 

Manufacturing Sustainability Insights Add-on for Autodesk Fusion

設計・製造企業は、より環境に配慮した製品を開発することを、顧客や競合他社、投資家などからますます強く求められるようになっています。かつて、サステナブルな製品の実現に向けた取り組みは、「言うは易し行うは難し」でなかなか実践できませんでした。   

McKinsey & Company 社の調査によると、製品のライフサイクル全体の二酸化炭素排出量のうち最大 5 分の 4 が、設計段階の意思決定で決まるといいます。  しかし、データへのアクセス環境が十分でないため、サステナブルなアプローチを取ろうとしても、エンボディド カーボン(製品のライフサイクル全体にわたる二酸化炭素総排出量)を考慮した意思決定を行うことは非常に困難です。  

しかし現在は、設計・製造ソフトウェアの新たな進歩によって、サステナブルな設計に関する意思決定を、プロジェクトの早い段階から簡単に行えるようになりました。そして先日、Manufacturing Sustainability Insights (MSI)という新しいアドオンがリリースされました。Autodesk Fusion ユーザーは無償で利用できます。(英語 UI のみのご提供ですが、Fusion の日本語表示上でもご利用いただけます) 

MSI では、エンボディド カーボンのデータが Fusion に直接シームレスに統合されます。このアドオンは、産業用の脱炭素プラットフォームで有名な Gravity 社とオートデスクの共同開発で実現しました。開発には、業界をリードする同社の炭素会計/脱炭素プラットフォームを活用しました。 

設計の意思決定によるカーボン インパクトを確認 

Manufacturing Sustainability Insights Add-on for Autodesk Fusion

材料の選択、製造プロセス、地理的要因など、設計・製造に関するさまざまな変数によるカーボン インパクトをリアルタイムで可視化できる卓越した機能を、MSI は備えています。ほんの数回クリックするだけで、設計の二酸化炭素排出量を計算し、製品のカーボン フットプリントを削減するための代替案を特定できます。この計算には、選択した材料の抽出・加工、場所、輸送、製造プロセスなど、あらゆる要素の排出量が含まれます。  

すべての計算は、Gravity API を介してリアルタイムで表示されます。最新の気候科学や、最も透明性の高い詳細なデータも考慮されます。設計フェーズの早期からこうしたインサイトが得られるため、環境に配慮した製品設計を推進しやすくなります。製品のエンボディド カーボンを削減し、リソースの消費量を最適化し、レポートや情報公開を簡単に行えます。  

「設計・製造業界で、設計フェーズの早期からサステナブルな意思決定を積極的に実現するには、データ、使いやすさ、低コストが重要な 3 要素となります」と、オートデスクの設計・製造サステナビリティ部門シニア マネージャーを務めるゾーイ・ベズパルコは話します。「Autodesk Fusion のアドオンである Manufacturing Sustainability Insight (MSI) では、エンボディド カーボンの影響をリアルタイムで確認したり、設計を簡単に変更するための方法を評価したり、すばやい対応でサステナブルな製品を実現したりでき、可能性がかつてないほど広がります。環境に配慮した製品を求める消費者ニーズや、規制強化を求める声が高まっている中で、企業はサステナビリティをプロセスに組み込み、顧客が本当に望んでいるものを提供する必要があります」 

MSI の仕組み 

Manufacturing Sustainability Insights Add-on for Autodesk Fusion measuring carbon impacts

MSI では、材料の選択や、製造工程、地理的要因など、重要な情報が一目でわかります。たとえばミキサーをデザインする場合は、  

ミキサーのボディを選択して分析を行い、製造タイプを選び、材料を割り当て、製造場所を指定します。[Compare Manufacturing Process](製造プロセスの比較)機能を使用して、設計の排出量に関する主要な要因を特定します。二酸化炭素の排出濃度は、製造プロセスによって異なります。たとえば積層造形では、大量のエネルギーが消費されますが、材料効率は高いという良い面もあります。また、ミキサーの部品を最小限の質量で設計するという判断を重視しつつ、クリーンなインフラ(エネルギーの生産方法など)を備えた国で製造することでエンボディド カーボンを抑えることもできます。環境に優しいエネルギー源を主軸とする国と、より環境汚染を生じる石炭などのエネルギーに依存している国の違いが、現在は明確に可視化されます。これ以上のデータや調査は必要ないほどです。 

また、[Calculations](計算)機能を使用すると、解析に使用するデータや、カーボン値の計算方法などを理解できるほか、必要に応じて外部のドキュメントを参照してさらに計算の詳細を確認することもできます。また、MSI ではすべての変更を追跡し、設計の修正を監視することができます。[Persistent View](永続ビュー)機能では、設計プロセスにおける排出量を継続的に追跡できる他、複数コンポーネントの分析を行えます。このツールを使用すると、設計の変更によって製品のカーボン値がどのような影響を受けるか、MSI からのライブ フィードバックで確認できます。 

Autodesk Fusion のアドオン、MSI へのアクセス方法 

まずは Autodesk App Store (Fusion の UI上、[ユーティリティ] タブ内からアクセスできます)から、Autodesk Fusion のアドオンである Manufacturing Sustainability Insights(MSI)をダウンロードします。インストーラーを開き、手順に従ってインストールします。インストールが完了すると、[デザイン]作業スペースの[ユーティリティ]タブにある[Fusion]からアドオンにアクセスできるようになります。   

MSI は、Autodesk App Store で無償でダウンロードできます。わずか数クリックの操作で簡単に Fusion の機能を強化し、サステナブルな設計上の判断を行えるようになります。

Autodesk Fusion のアドオン MSI を試す

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