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ジェネレーティブ AI が世界に初めて登場した時から、もう 10 年は経ったように感じられますが、実際のところ、OpenAI の ChatGPT によって業界が一変したのはほんの 1 年前に過ぎません。今や、ジェネレーティブ AI ツールを利用することは当たり前になりました。
そして多くの企業がこうした市場に反応して、AI テクノロジーの活用方法を模索しています。自社の専有データを大量に保有する企業は、独自のソリューションを構築するための開発に取り組んでいます。その他は、既存のソリューションを導入する企業もあれば、次の変化の波を待って様子見している企業もあります。
そして設計・製造業界では、ジェネレーティブ AI を活用するために、高精度で包括的な、より洗練されたワークフローが求められるようになりました。 オートデスクは、Fusion などの自社製品で、ジェネレーティブ AI ツールの活用方法を探究してきました。その成果の 1 つが Project Salvador です。ジェネレーティブ AI モデルの DALL-E が、かの有名なスペインのシュールレアリズム アーティストにちなんで名付けられたことに敬意と親しみを込めて、そう名付けられました。Project Salvador の目標は、「Fusion ユーザーに有意義なエクスペリエンスを届けるために、既存のサードパーティ製 AI モデルを Fusion と連携させるとしたら、どれが最適か?」という疑問への答えを見つけることでした。
Project Salvador とは?
そこでこの分野を調査した結果、Fusion のデザイン イテレーション機能を強化することが、プロダクト デザイナーにとって非常に大きなメリットにつながると、私たちは確信しました。そうすれば、Fusion で夢をカタチにするだけでなく、夢を生成し、作り込むことも可能になります。
私たちの目標は、目的の Project Salvador のワークフローに、最高クラスのモデルをいつでも自由に組み込めるようにすることです。そうすれば、数ヵ月おきという急速なペースでモデルが変化/進化し続ける中で、必要に応じてモデルを切り替えながら、最高のジェネレーティブ AI エクスペリエンスを実現できます。
現在、Project Salvador のベータ版が Autodesk App Store で Fusion プラグインとして提供されています。このプラグインを使用すると、サードパーティ製 AI モデルを Fusion と連携させて、ツール間でシームレスなワークフローを構築できます。オートデスクは現在、これらのサードパーティ製 AI モデルを API を介して Fusion に導入しているため、これに伴い Fusion API も拡大しています。Project Salvador の最初のバージョンは、OpenAI GPT4 Turbo、DALL-E、Stable Diffusion のいずれかのモデルを基盤としています。また、Vectorizer AI で次のワークフローをサポートしています。
- テキストから画像:ユーザー独自のキーワードや GPT が提案する強化されたプロンプトを使用して、プロダクト デザインのアイデアあふれる 2D 画像を生成します。
- 画像から画像:Fusion キャンバス上のジオメトリのスクリーンショットを入力して、デザインのバリエーションを生成します。
- 画像からキャンバス:キャンバスとして Fusion にインポートできる AI 画像を生成し、トレースや一時的な背景として使用します。
- テキストからスケッチ:テキストから 2D 画像を生成し、さらに Fusion スケッチに変換します。
2022 年オートデスクの研究チームが執筆し、2023 年に DIS で発表した論文『3DALL-E: Integrating Text-to-Image AI in 3D Design Workflows』に基づいた研究プロトタイプのおかげで、Project Salvador のプロトタイプ開発は有利なスタートを切ることができました。
Project Salvador の詳細については、次のビデオをご覧ください。
免責事項
このプロジェクトに参加するサードパーティ製 AI モデルに、オートデスクからユーザーのデータを送信することはありません。これは重要ですのでご留意ください。ユーザーは、検索入力や画像入力を、任意で行います。Autodesk App Store で公開されている Project Salvador 利用規約に、関連するすべてのテクノロジーの利用規約のリンクが記載されています。このテクノロジーの特徴的な性質として、サードパーティ モデルから返される結果は、質問に対して一意ではない場合があります。オートデスクは、作業に変化をもたらす可能性があるツールへのアクセスを提供しますが、サードパーティ モデルによる出力結果の品質を保証することはできません。
Project Salvador でアイデア出しを始めましょう
Project Salvador は Autodesk App Store からアクセスいただけます。製品アイデアの検討プロセスがどのように向上するか、ぜひ体験してみてください。Project Salvador の今後の開発は、お客様からのフィードバックによって決まります。良い点や改善が必要な点について、意見をお寄せください。
さて、皆さまの創造力から一体何が生まれるでしょうか?完成した作品を、ぜひフォーラムに投稿してください。