熱溶解積層法 (FDM) とフィラメント溶解製法 (FFF)
3D プリント技術の登場は、数十年に一度の大きな変革を設計製造業界にもたらしました。アイデアをプレゼンテーションするために、CAD に頼ったり、プロトタイプの作成をメーカーに依頼したりする必要は、もうありません。熱溶解積層法やフィラメント溶解製法の 3D プリント技術を活用することで、コストを抑えつつ、パーフェクトな 3D モデルを比較的簡単に作成できます。
3D プリント技術の登場は、数十年に一度の大きな変革を設計製造業界にもたらしました。アイデアをプレゼンテーションするために、CAD に頼ったり、プロトタイプの作成をメーカーに依頼したりする必要は、もうありません。熱溶解積層法やフィラメント溶解製法の 3D プリント技術を活用することで、コストを抑えつつ、パーフェクトな 3D モデルを比較的簡単に作成できます。
フィラメント溶解製法 (FFF) とは、プリンターが熱可塑性樹脂のフィラメント材料を連続的に押し出すことで造形する 3D プリント技術です。フィラメント フリーフォーム製造とも呼ばれます。リール状のプラスチック フィラメントが、加熱されたヘッドを通して、粘着性と可鍛性のある状態で供給されます。一般的な FFF プリンターは、2 次元の XY 軸方向に移動しながら材料を出力し、(Z 軸方向へ向かって)層を重ねながら造形物を成形していきます。
熱溶解積層法 (FDM) は、本質的にはフィラメント溶解製法 (FFF) と同じ技術ですが、1989 年に Stratasys 社が「Fused Deposition Modeling」 (熱溶解積層法)という名前を商標登録したため、この名前を使用できるのは Stratasys 社のライセンスを取得済みの 3D プリンターのみとなります。Stratasys 社の FDM 技術の特許が 2009 年に有効期限を迎え、Stratasys 社と競合する他社によって「フィラメント溶解製法 (FFF)」という新たな名前の手法が開発されました。FDM とは異なり、FFF では密閉式の加熱チャンバーを使用しないため、コンパクトなデスクトップ型のテクノロジーが実現しました。FDM が産業規模の機械向けである一方、FFF は設計者や小規模なメーカーに適しています。
FDM または FFF の核となるのは、スライサー ソフトウェアです。スライサー ソフトウェアとは、指定した層の高さに基づいて 3D オブジェクトをスライスし(これにより、プリントの解像度もコントロールされます)、プリント ヘッドがピンポイントの精度で動作するようにコントロールします。このシステムには、次のようなメリットがあります。
熱溶解積層法やフィラメント溶解製法は、次のようなさまざまな用途に使用されます。
FFF/FDM を使用して、オーダーメイドの部品を作成し、各ユーザー向けにバッチ処理を実行できます。(例:ランプシェードと取付器具の設計など)
プロジェクトを物理的な空間で表現するには 3D モデリングが最適です。子供たちや設計を学んでいる学生にとって、作品の完成形を見ることができるのは大きなメリットがあります。
設計案の検討からプロトタイプの作成までを、社内で迅速に行えます。コンセプトからモデルを作成し、設計原則のテストや設計の微調整を行い、プロトタイプを作成するまでを、すべて社内で行えます。
アイデアを完全にプロトタイプ化する前に、すばやくモックアップを作成して設計のテストを行い、コンセプトを試すこともできます。
FFF や FDM のプリンターでは、さまざまな熱可塑性樹脂を使用できます。ただし、プラスチックにはそれぞれの材料に固有の特徴があります。一般的によく使用される材料には次のようなものがあります。
ABS は耐熱性、耐衝撃性、剛性、強度に優れていますが、製造場所には換気スペースと加熱式プラットフォームが必要です。
PLA は最も成形しやすい材料で、高い強度や剛性を備えますが、耐薬品性や耐熱性は他の材料よりも低くなります。
PETG は耐水性と耐薬品性を備え、より低温で製造でき、透明に加工できます。食品の包装に最適な材料です。
ナイロンは耐熱性と耐衝撃性に優れ、軽量で、強力で、長持ちしますが、取り扱いが難しい材料です。
TPU は他の熱可塑性樹脂よりも高い伸張性、防振性、耐衝撃性を備えています。
3D プリントのサポート材として使用され、水に溶けます。
ABS の 3D プリントで使用されるサポート材です。リモネンで溶解できます。
金属充填フィラメントは、金属とプラスチック(通常は PLA または ABS)を混ぜたものです。金属のような質感の造形物を 3D プリントする場合に使用します。
オートデスクは、FFF/FDM の 3D プリント技術やソフトウェアに関する情報を学べるさまざまなリソースをご用意しています。
役立つリソースや学習コンテンツにすばやくアクセスできるリンクを掲載した入門ガイドです。
さまざまな積層造形テクノロジーに関する学習リソースは、こちらをご確認ください。
Fusion 360 で FFF プリントを使用する方法については、こちらの初心者向け記事をご覧ください。
3D プリントでサステナブリティを高める方法を学びましょう。
機械はいずれ故障することもあるかもしれませんが、それほど焦る必要はありません。機械によくある問題のトラブルシューティングに役立つヒントをご確認ください。
3D プリントは、プロトタイプの作成以外には、どのような用途に利用できるのか、さまざまな活用事例をご紹介します。
フィラメント溶解製法 (FDM) と熱溶解積層法 (FFF) に関する一般的な 6 つの質問に対する回答をご紹介します。
はい。FFF ソフトウェアは、Windows と Mac OS に対応します。 Fusion 360 ソフトウェアの無償体験版を、こちらからダウンロードしてお試しください。Fusion 360 は組み込みの 3D プリンター スライサーも搭載します。
セットアップ方法の詳細は、こちらの記事 (英語) をご覧ください。
FFF はデスクトップでの使用を目的に開発されたもので、FDM に必要な密閉式の加熱チャンバーは必要ありません。特許や商標に関する問題を除き、両者の主な違いはこの点です。
月間サブスクリプション(¥8,800 / 月)から 3 年間サブスクリプション(¥203,500 /3 年)まで、用途に最適なオプションをお選びいただけます。さらに柔軟なオプションをご希望の場合は、カスタム価格でのご購入も可能です。詳しくは、価格ページでご確認ください。
溶融粒状製造 (FGF) とも呼ばれる新しいテクノロジーです。3D プリンターの造形材料に、連続したフィラメントでなく粒状素材のストリームを使用します。このテクノロジーは現在開発中です。
熱可塑性の連続したフィラメントが加熱されたヘッドを通過して表面に移動することで、粘着性および可鍛性のある造形物が成形されます。プラスチックが冷却され、硬化しながら、一層ごとに造形物が成形されていきます。