複数の図形を1つの集合体にまとめたオブジェクト

CAD ブロック:ワークフローの効率化で
時間節約

CAD ブロックは、複数のオブジェクトを保存、再利用、共有できます。作図で繰り返し使用するコンテンツを素早く再現し、時間を節約、ファイルサイズを削減し、コラボレーションを向上させます。

CAD ブロックについて

CAD ブロックについて (シンボル)
CAD ブロックについて (シンボル)

CAD ブロックとは

CAD ブロックとは複数の図形をひとつにまとめた複合図形です。一般的には「シンボル」とも呼ばれますが、 AutoCAD では「ブロック」と呼びます。
ブロックには意味のある名前を付けることができ、単一の 2D または 3D の図形要素として扱うことができます。
 

図面には図記号や共通部品、標準コンポーネント、さらには図面枠や表題欄など、繰り返し使用されるコンテンツが多く含まれます。これらを都度作図すると作図効率が低下するだけでなく、図面の一貫性が保てなくなることにより図面品質の低下をも招いてしまいます。また個別にオブジェクトが作成されるため、ファイルの容量も肥大化します。
 

これらのコンテンツはブロックとして作成するようにします。そうすればコンテンツを再利用して共有できるため、時間の節約、一貫性の維持、ファイル サイズの削減に役立ちます。
 

またブロックには属性を含めることができます。属性付きブロックは配置される参照毎に異なる文字情報を与えることができます。

CAD ブロックの使用方法
CAD ブロックの使用方法

CAD ブロックの使用方法

Autodesk AutoCAD や AutoCAD Plus では、必要に応じて独自に CAD ブロックを作成して使用することも、あらかじめ作成されたブロックを選択して使用することもできます。
 

ブロックの定義情報は図面ファイル内に保存されます。外部または現在の図面ファイル内のブロック定義を指定して、図面にブロックを挿入します。挿入時に座標、尺度、回転角度を指定することができます。もちろん挿入後でも、簡単に移動、コピー、回転、尺度変更などを行えます。
 

また図面ファイルそのものをブロックとして別の図面に挿入、配置することもできます。そして多くのユーザがブロック定義を集めた図面ファイルを作成し、「ブロックライブラリ」として設計者間で共有しています。

CADブロックを使う利点

時間とファイルサイズの節約

保存可能で再利用可能なブロックを作成し、図面内に貼り付けて繰り返し使用することで、時間を節約し、一貫性を保つことができます。
 

AutoCAD 2024 版以降で利用できるスマートブロックは、このプロセスの一部を自動化し、さらに迅速に行えるようにします。
 

また、要素を再作成するのではなくブロックを使用することで、AutoCAD ファイルのサイズを大幅に削減できます。

簡単なコラボレーション

シンボル、共通のコンポーネント、その他の標準的な詳細箇所に使用する場合でも、AutoCAD ブロックは共有可能なファイルです。
 

これらは同僚や仲間、その他の関係者と簡単に共有でき、プロジェクトでのより良いコラボレーションを促進します。

ダイナミック ブロックの活用

ダイナミック ブロックは、複数の静的ブロックの代わりになるため、さらに時間を節約し、ファイルサイズを削減できます。各ダイナミック ブロックは、使用方法に応じて形状、サイズ、構成などの属性を変更できます。

CAD ブロックを使用できるソフトウェア

拡張可能な機能と自動化が備わった、コスト効率の高い 2D および 3D CAD ソフトウェア。


自動化を備えた 2D および 3D CAD ソフトウェア。AutoCAD、業種別ツールセットなどが含まれています。


Web ブラウザまたはモバイル デバイスを使用して、作図、注釈付けを行い、図面に現場のデータを追加できます。DWG ファイルにアクセスして編集し、AutoCAD ユーザーと設計の共同作業を進めることができます。


ダイナミック ブロックについて

CAD ブロックをダウンロードできる場所
CAD ブロックをダウンロードできる場所

CAD ブロックをダウンロードできる場所

AutoCAD に付属のサンプル ファイルには、いくつかの記号や部品などのブロックが用意されています。 DesignCenter フォルダーには、関連するブロック定義のセットを含む、さまざまなサンプル図面があります。 Design Center やツールパレットからサンプルへ簡単にアクセスすることができます。

 

その他にも、以下のようなブロック ライブラリ リソースを利用できます。

ダイナミック ブロックとは
ダイナミック ブロックとは

ダイナミック ブロックとは

ダイナミック ブロックを使用すると、時間とファイルサイズをさらに節約できます。ダイナミック ブロックはダイナミック プロパティが追加されたブロックです。さまざまな形状、サイズに対応できます。
 

ダイナミック ブロックではない通常の CAD ブロック(静的ブロック)では、バリエーションを多く持つ部品、部材など表す場合に大量のブロックを作成しなくてはいけません。また正面、平面、側面など異なるビューがあれば、さらに数は増えることになります。たとえばボルトのブロックであれば径や長さのバリエーションのほか、正面、側面のビューが必要になるはずです。これはライブラリの肥大化を招き、管理を難しくします。
 

また大量のブロックの中から目的のブロックを見つけ出して挿入するのはたいへん面倒です。そして設計変更に際して異なるサイズのブロックに置き換える場合も同様の手間が再び発生します。
 

用途に応じて形状、サイズ、構成を変更できるダイナミック ブロックを作成、使用すれば、複数のスタティック ブロックを挿入せずに済みます。ライブラリは簡潔にまとまり、変更にも簡単に対応できるようになります。

AutoCAD の新機能 – スマート ブロック

AutoCAD および AutoCAD Plus の両方で利用可能なスマート ブロックは、 CAD ブロックの概念をさらに一歩進め、大部分のプロセスを自動化することで時間を節約します。
インテリジェントな機械学習技術のおかげで、より少ない労力で多くの作業をこなすことができます。新しいブロックを手動で調整、移動、微調整する手間にさようならを告げましょう。

 

Condensed Content Panel - Quiet Tabs

スマートブロック: 配置

スマート ブロック: 配置

CAD ブロックは、オブジェクトをグループ化してデザイン内に何度でも配置できるため、多くの時間を節約できます。スマート ブロックの配置機能はこれをさらに進化させ、以前の配置方法に基づいてブロックを自動的に配置することができます。
 

これにより、各ブロックを詳細に至るまで正確に配置する作業を手動でする必要がなくなり、1つのブロックを配置するだけで、AutoCAD がその後のインスタンスの正しい位置を推測します。また、多くの机や椅子があるオフィス設計図などの大規模プロジェクトで一貫性を確保しながら、時間を節約できます。

スマートブロック: 置換

スマート ブロック: 置換

デザインは常に変化しており、多くの CAD ブロックを使用している場合、変更が必要なアイテムのすべてのインスタンスを見つけて調整するのは大変な作業です。AutoCAD 2024 のスマート ブロック置換ツールは、その作業を自動的に処理し、次の課題に集中できるようにします。
 

置換ツールは、機械学習に基づく提案、最近使用したブロック、および CAD ブロックの手動置換を使用して、ブロックの 1 つまたは複数を瞬時に特定して置換することができます。

ダイナミック ブロックを使用する理由
ダイナミック ブロックを使用する理由

ダイナミック ブロックを使用する理由

ダイナミック ブロックは柔軟かつインテリジェントに機能します。作業中、カスタム グリップまたはカスタム プロパティでジオメトリを操作することにより、図面内でダイナミック ブロックの参照を簡単に変更、調整することができます。
 

ダイナミック ブロックに作業におけるルールを適用することもできます。サイズ変更における増分の指定や配置時の位置合わせ、複数の挿入基点の設置などです。これにより、静的ブロックで頻繁に行われる作業を効率化できます。
 

ダイナミック ブロックは新規に作成することも、既存のブロックにダイナミック プロパティを与えて作成することもできます。ブロック エディタを使用して、そのブロック内のオブジェクトがどのように変わり得るかをパラメータやアクション、または拘束を使用して定義します。たとえば、さまざまなテーブルの種類と椅子の設定に対して複数のブロックを作成する代わりに、1 つのテーブルのダイナミック ブロックを作成することができます。
 

必要に応じてテーブルの種類や椅子の個数を変更できるため、作業効率が向上します。ライブラリから見つけ出すことも容易になります。

CAD ブロックの用途: お客様による活用事例

ALIKA DESIGN

市場機会の拡大と業界で高まるニーズへの対応

女性一人で運営しているこのインテリア デザイン会社では、クライアントやその他のインテリア デザイナーとのやりとりに、AutoCAD のスキルを活用。

 


画像提供: Jordi Jerea Photography.

NATURE'S DESIGNS

AutoCAD とCAD ブロックでランドスケープデザインビジネスが成長

ランドスケープデザイナーが自身のビジネスを始めるきっかけと、AutoCAD が設計プロセスでどのように成功を支援しているかを共有。

 


画像提供: Rose Remillard.

STUDIO A ARCHITECTURE

AutoCAD を使用して、生活の質を重視した高齢者コミュニティを設計

AutoCAD と Architecture ツールセットは、生活の質が最も重要となる、 自立支援介護型の高齢者コミュニティを設計した設計事務所でも利用。

 


画像提供: Studio A Architecture.

CAD ブロックのヒントとコツ

オートデスクの専門家が、AutoCAD でブロックを操作する方法を紹介します。ベストプラクティスから最新機能であるスマート ブロックの配置まで、さまざまなトピックをカバーしています。

 

CAD ブロックに関するビデオ

生産性向上のヒントとコツ『ブロック図形』

AutoCAD はさまざまな機能を使いこなすことで、作業効率がグンとアップし、より使いやすくなります。

ここではリクエストの多い『ブロック図形』について、その仕組みや特徴、使い方を分かりやすくご説明します。

 

Chapter 1: ブロックを使いこなそう

 ブロック 図形のしくみや特徴、ブロック 定義の作成する方法や機能など、ブロックの基本について説明し、ブロックを作成する方法を学ぶことができます。

チュートリアル AutoCAD ブロック図形 
チュートリアル AutoCAD ブロック図形 (動画: 35:40)

Chapter 2: ダイナミック ブロックを使ってみよう

複数の要素を一つのダイナミック ブロックにまとめる方法をはじめ、ダイナミック ブロックの特徴や考え方など、ダイナミック ブロックに関する機能を説明していきます。

CAD ブロックのチュートリアル

「ブロック」は、複数のオブジェクトの集合を 1 つの図形要素としてまとめ、名前を付けたオブジェクトです。次に、様々な尺度のブロックの例をいくつか示します。基本に戻り、ブロックを挿入、作成、再定義する方法を学習します。

 

スタティック ブロックをダイナミック ブロックに変換して、ブロック内のジオメトリを表示/非表示、ストレッチ、移動、回転、鏡像化、尺度変更するプロパティを含めるストレッチ可能なダイナミック ブロックを作成し、作業効率を高めます。

 

AutoCAD のダイナミック ブロックには、ブロックが図面に挿入されたとき、または後で修正されるときのブロックの外観と動作をコントロールする規則と制限が含まれています。このダイナミック ブロックを最大限に活用する方法を紹介します。

 

AutoCAD で描いてみよう!~ ゼロからはじめる作図演習 ~の一連の動画では、AutoCAD をインストールした直後の状態から一枚の建築平面図を作成します。 全体の流れを通して、AutoCAD の持つ様々な機能について説明します。

 

チュートリアル、ドキュメント、ダウンロード、トラブルシューティング記事などを探すことができ、ソフトウェアのダウンロードとインストール、アカウントの管理、製品の使用に関するサポートを受けられます。

 

AutoCAD および業種別ツールセットの製品情報、ユーザー事例、使い方のコツ、業務効率向上のためのヒント、便利な機能をご紹介します。AutoCAD で、今まで以上にすばやく、スマートに作業を行う方法をマスターしましょう。

 

CAD ブロックに関するよくある質問(FAQ)

CAD ブロックに関するよくある質問の回答をまとめましたのでご確認ください。

AutoCAD を使ったブロックの作成方法は?

AutoCADでブロックを作成する方法はいくつかあります。

最も簡単な方法は、キーボードでCTRL+SHIFT+Cを押し、「挿入」ポイントにスナップすることです。挿入ポイントは、ブロックを配置する際のカーソルの位置です。次に、ブロックを構成するオブジェクトを選択し、ENTERキーを押します。ブロックを貼り付けるには、CTRL+SHIFT+Vを押します。新しいブロックには名前が付いておらず、ブロック定義ダイアログボックスで名前を付けたり、他の仕様を入力したりできます。

 

詳細については、ブロック作成をご覧ください。

AutoCAD を使ったダイナミック ブロックの作成方法は?

AutoCAD でダイナミック ブロックを作成するには、まず標準ブロックを作成し、それをブロック エディタで開きます。ブロック作成パレットのポップアップウィンドウを開いておく必要があります。このポップアップから、ダイナミック ブロックを作成する基本的な方法は、パラメータ パレットでブロックのパラメータを作成し、そのパラメータにアクションを設定することです。

 

単一のダイナミック ブロックは、標準ブロックの複数の構成を表すことができます。ダイナミック ブロックの作成方法や、時間を大幅に節約できる実際の例については、このダイナミック ブロックの概要 をご覧ください。

DesignCenter とは?AutoCAD DesignCenter のブロックを使用するには?

AutoCAD DesignCenter は、ブロック、ハッチ、図面、テンプレート、その他の図面コンテンツのリポジトリです。これを使用して、ブロックなどのコンテンツを AutoCAD の図面エディタにドラッグアンドドロップできます。DesignCenter から行う方が、他の AutoCAD プロジェクトからブロックなどをコピー&ペーストするよりも簡単で迅速です。

 

DesignCenter からは、ツールパレットの作成、ブロック定義の再定義、ブロックエディタの開放なども行えます。DesignCenter には、AutoCAD のリボンの「表示」タブの「パレット」パネルからアクセスできます。詳細は、AutoCAD DesignCenter の使用方法の概要をご覧ください。