機械、装置、建築などの製品・製造物はそれぞれの機能として複数の性能を有しているが,それに加えてコスト、環境対応性、保守性、製造性、ユーザーの嗜好性などの多様な特性も満足しなければならない。それらに関する少なくない影響因子(設計変数)の設計解が得られて製品開発が成就される。 それを実現する設計手法として、現状ではCAE分野において、多目的最適化手法や連成解析手法などがあるが、これらの内容とその設計としての本質および限界について、参加者は学ぶことができる。 また設計には様々な不確定性があり、この処理も重要であり、その設計上の取り扱い方についても学ぶことができる。 その上で、設計上の不確定性も考慮し、計算機の高い処理能力にも依存せずに多目的性能の同時満足化設計手法として提案されている集合と満足度とロバスト性に基づく新しい概念に基づくセットベース設計手法(PSD手法)によって解決したいくつかの実問題の結果内容を示す。その中には、Autodesk社のMoldflow Adviserを用いた射出成型金型における冷却管の設計の内容も含まれる。参加者はこの設計手法の基本的考え方や適用の仕方および適用事例について学ぶことができる。 新設計手法を用いることで、適用事例の一つである車の乗り心地設計では、18性能を扱い、12設計変数の範囲(集合)解を求めている。この場合は通常のパソコンでほぼ1日の計算処理という圧倒的早さの解探索が可能でした。